ドイツでも驚きの田中碧アジアカップ落選…クラブ幹部は驚きながらも理由を明かす「クラブ内での自分の立場を傷つけたくない」「移籍についても話し合うことができる」

アジアカップのメンバーから外れた田中碧[写真:©超ワールドサッカー]

田中碧の日本代表落選はドイツでも驚きをもって伝えられている。

1日、史上初となる元日開催となった日本代表の試合は、『TOYO TIRES CUP 2024』でタイ代表と対戦。前半は苦戦したが、5-0で勝利を収めていた。

その試合後、アジアカップに臨む日本代表メンバー26名が発表。タイ戦に招集できなかったヨーロッパ組の選手も名を連ねた中、そのタイ戦でゴールを決めていた田中は落選となった。

予想外の招集外となったが、森保一監督は「招集していない選手の1人ひとりに関しての話はこの場では避けさせてもらえれば」と語り、「招集できる条件のなかでベストと判断し、このグループを作らせてもらった。詳しくは話せないが、置かれている状況が色々とあって、招集できない選手もいる」と言葉を濁していた。

ただ、この招集外は驚きを与えることに。田中は9月、10月の代表活動でもゴールを記録しており、直近6試合で4ゴールを記録。アジアカップでも活躍が期待されていた中での出来事だった。

ドイツ『ビルト』は「このサプライズはフォルトゥナ・デュッセルドルフを本当に喜ばせる!」と報道。まさかの招集外はクラブにとって朗報だと伝えた。

スポーツ・ディレクター(SD)のクラウス・アロフス氏は『ビルト』に対し、今回の招集外の理由を明かした。

「アオが去る前に、我々は話し合ったが、彼は状況が好ましくなく、クラブ内での自分の立場を傷つけたくないという合図をくれた。移籍についても話し合うことができる」

「完全に排除されているわけではない。彼が責任者と話したいという考えは知っていたが、その可能性はほとんどないと思っていた。実際のところ、私が知っているように、値する人は常に招集されるからだ。アオもそうであるべきだった」

「ただ、このことは我々にとってはとても嬉しいことだ」

田中がアジアカップに参加していれば、決勝まで進んだ場合は2.ブンデスリーガ(ドイツ)で4試合、DFBポカールも1試合欠場する予定。また、今冬の移籍の話がある中で、交渉もろくにできない状態となっていた。

アロフス氏は、川崎フロンターレから田中を獲得した際のことにも言及。1部からの話があれば応じる約束をしていたとし、アジアカップに参加しないことで今冬の移籍も十分に起こることとなりそうだ。

「我々は彼の野心を知っているが、常に全力で取り組んでくれている。だからこそ我々は常に攻撃的なアプローチをとり、お互いの意見を明確にしてきた。彼にとって2部にくることは選択肢ではなかったと思う」

「ただ、当時の彼を我々は説得できたし、機会があればすぐに話に応じると伝えた。選手もそれに同調した。彼を責めることなどできないし、そうする必要もなかった」

「ただ、彼はできるだけ早く1部リーグでプレーしたいと思っている」

シュツットガルトなどが関心を寄せているという田中。問題は移籍金のクラブ間交渉となりそうだが、デュッセルドルフに戻ることは大きく事態を動かすことになりそうだ。

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