「一番悪い」世界ランクも発奮材料 松山英樹が2024年に重んじる“戦い方”

米ツアー11年目が始まる(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ザ・セントリー 事前(2日)◇プランテーションコースatカパルア(ハワイ州)◇7596yd(パー73)

松山英樹にとって11年目のPGAツアーが間もなく始まる。年明け早々、1月1日に日本を出発して4年連続7度目となるハワイ州マウイ島入り。久しぶりに顔を合わせるツアーメンバーと交わす新年のあいさつも手慣れたものだ。

過去に優勝争いもあったマウイ島での開幕戦(撮影/田辺安啓(JJ))

トーナメント出場は昨年11月の日本ツアー「ダンロップフェニックス」以来7週ぶり。インフルエンザに感染したこともあり、オフの練習は「全然、できてないです」。ただ、口ぶりは重くない。「トレーニングもそんなにしなかったですし、そういう意味では(身体が)フレッシュな状態に戻った感じはあります」。首や背中といったコンディションに悩まされるシーズンが続いてきた分、不安なくスタート地点に立てることを当たり前とは思っていない。

結果も理想も追い求める(撮影/田辺安啓(JJ))

「スイングとかもそうですけど、とりあえず結果を出したいので。結果を求めて、その中で(結果として)いいスイングになっていけばいいなって感じですね。ことしは優勝をしたいと思っているし、しっかりそこを目指してやらないと」。課題に向き合う姿勢はそのままに、22年「ソニーオープン」で挙げた8勝目から遠ざかるタイトルへの意識を明確にする。

一方で「試合をやる中で優勝できないポジションになった時にどういうプレーをするかというのも大事。去年までは少しずつ疲れて(精神的に)切れている部分もあったと思うので」とも。勝利への渇望を口にすると同時に足元を見つめ直すのは、世界ランキングもひとつの理由だ。

アップダウンが激しいコース。カートも使いながら練習ラウンド(撮影/田辺安啓(JJ))

現在の46位は13年7月以来の数字。同年4月の日本ツアー開幕に合わせてプロ宣言した時点の163位から上げていく過程でもあった。「プロ入り以降で“一番悪い”順位。(優勝が難しくなった時も)少しでも上位に行って、そこをしっかり上げていければ」。なかなか思うように行かない週であっても底力でカットラインをクリアし、4日間を通して何とかスコアをまとめる――。17年に日本人最高の2位になった裏には、優勝だけではない地道な積み重ねがあった。

視線の先には4月のメジャー初戦「マスターズ」をしっかり見据えつつ、最初のハワイ2連戦から気合十分で臨む。(ハワイ州カパルア/亀山泰宏)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン