【能登半島地震】炊き出しにブリ、カニ 被災者の心温め 中能登の避難所

県産ズワイガニをふんだんに使ったカニ汁を提供する社員=3日午前11時半、中能登中

 中能登町の避難所となっている中能登中で3日、カニ汁とブリが振る舞われ、多くの避難者が思わぬ豪華な炊き出しに身と心を温めた。

 提供したのは同町の鮮魚販売業「大廣(だいこう)」。本来は七尾市の能登食祭市場で販売する予定だったが地震で休館となったため、炊き出しに使うことにした。

 県産ズワイガニ500匹、宇出津港で水揚げされたブリ40本を用意した。カニはみそ汁の具材にし、ブリは切り身で提供した。高岡市から帰省中に被災し、避難した飯室陸さん(14)は「まさかこんなに大きなカニを食べられるとは思ってもいなかった」と満面の笑みを見せた。

 大廣の高橋洋一社長(38)は「地震が起きてから暗い話題ばかりなので、少しでもみんなに笑顔を届けたかった」と話した。

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