無病息災、家内安全願い矢放つ 岡山・吉備津神社で矢立の神事

空へ向かって勢いよく矢を放つ射手

 岡山市北区吉備津の吉備津神社で3日、白羽の矢を放ち、邪気を払う「矢立の神事」が行われた。祭神・吉備津彦命(きびつひこのみこと)が鬼神・温羅(うら)を退治した伝説にちなむ神事を多くの初詣客が見届け、無病息災や家内安全を願った。

 藤井崇行宮司が、吉備津彦命が矢を置いたとされる「矢置岩」に7本の矢を並べ、一年の平穏を祈願。侍と山伏に扮(ふん)した岡山県弓道連盟の射手6人が1本ずつ弓につがえて力強く引き絞り、「やー」のかけ声とともに四方に矢を放った。勢いよく空に向かって飛んでいくと、参拝者は大きな拍手を送った。残る1本は本殿に奉納した。

 写真を撮っていた男性(83)=浅口市=は「地震や航空機事故などのニュースが続いている。勇壮な神事の力で暗い雰囲気を払ってほしい」と話した。

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