青森山田→大学サッカーで飛躍した「最強の5人」

現在行われている高校サッカー選手権、優勝候補の青森山田は3回戦で広島国際学院に7-0の大勝を収めた。

2023年のU-18プレミアリーグを制すなど相変わらず強さを見せている彼らだが、今年度は現時点でプロ入りが内定している選手はいない。

そこで、青森山田高校から大学サッカー経由でプロ入りし飛躍した「最強の5人」を紹介する。

ロメロ・フランク

1987年8月19日生まれ

まずは、2005年の青森山田インターハイ初優勝の立役者。当時の登録名は「ベロカル・フランク」だった(ベロカルは母方の苗字。ロメロは父方の苗字)。

ペルー出身ということもあってか無理が効く身体に高い技術を備えたMFで、進学した流通経済大学でさらに成長。2011年に水戸ホーリーホックでプロ入りを果たす。

2年間水戸の主力として活躍した後、移籍したモンテディオ山形でJ1昇格を経験。以降もアルビレックス新潟やFC町田ゼルビア、2022年に加入した鹿児島ユナイテッドFCなどで印象的なプレーを見せた。

鹿児島では2年連続10番をつけ、J2昇格を成し遂げた昨季も19試合に出場したが、シーズン終了後に退団が発表されている。

藤本憲明

1989年8月19日生まれ

高校卒業後、「シンデレラストーリー」とも言えるキャリアを送ったのがストライカーの藤本憲明だ。

青森山田では3年次、右サイドバックとして選手権に出場していた藤本。近畿大学から2012年に加入したJFLの佐川印刷SCではアマチュア選手として働きながらプレーし、ゴールの実績を積み上げていった。

2016年にJ3の鹿児島ユナイテッドFCへ移籍すると、2年後には片野坂知宏監督のもと上昇気流を描く大分トリニータへ。チームとともに昇格したJ1でも結果を残したことで、2019年8月にヴィッセル神戸への電撃移籍を勝ち取っている。

昨年、鹿児島へ復帰し、2024年も契約を更新したことが先日発表された。ちなみに鹿児島でつけている24番は佐川印刷1年目の背番号。

室屋成

1994年4月5日生まれ

高校時代に大きなタイトルを獲得することはできなかったが、紛れもなく青森山田史上最高のサイドバックだろう。

高卒で清水エスパルスからのオファーを受けていたが、長友佑都を輩出した明治大学への進学を選択。1年次の2013年6月には早くもFC東京のキャンプへ帯同し、当時のランコ・ポポヴィッチ監督から非常に高い評価を受けていた。

2015年にFC東京の特別指定選手になると、翌2016年2月には明治大学サッカー部を退部して正式加入。その年のリオデジャネイロ五輪に出場し、日本代表へとステップアップしていった。

2020年夏からドイツ2部のハノーファーでプレーしており、今冬の日本復帰もささやかれている。

菊池流帆

1996年12月9日生まれ

岩手県釜石市出身の菊池流帆の成り上がりもまた強烈だった。一般入学した青森山田で地道に努力を重ね、3年次のインターハイや選手権では大会優秀選手に。

進学した大阪体育大学でも着実に成長し、2017年のユニバーシアード台北大会ではレギュラーとして3大会ぶりの優勝に貢献している。

2019年にレノファ山口FCでプロ入りすると、1年後にヴィッセル神戸へ個人昇格。身体能力を生かした守備と高らかな咆哮はまもなくノエビアスタジアム神戸の名物となった。

ただ、神戸が悲願のJ1初優勝を達成した昨季は開幕直後に左膝を負傷。前十字靱帯損傷の重傷だったためシーズン中の復帰はかなわず。今年、復活に燃えている。

安斎颯馬

2002年9月29日生まれ

大卒で結果を残している青森山田選手は何人もいるが、最後は期待も込めて、2025年にJ1のFC東京へ加入することが内定している安斎颯馬を挙げたい。

青森山田では松木玖生の1歳年上で、3年次に10番を背負い選手権の得点王に。ただ、チームは決勝で山梨学院に敗れ準優勝。自身もPK戦でキックを成功させることができなかった。

悔しさを胸に進学した早稲田大学では、1年目から関東1部の新人王を受賞。その後もチームの中心としてスキルを磨き、卒業までまだ約2年という2023年4月にFC東京加入が内定している。

高校サッカー屈指のテクニック集団、静岡学園が輩出した「最強の5人」

すでに昨年のルヴァンカップでプロデビュー。慣れない右サイドバックでフル出場し、1-0の勝利に貢献した21歳の今後が非常に楽しみだ。

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