【韓国】23年のCPI3.6%上昇、公共料金が高騰[経済]

韓国統計庁によると、2023年通年の消費者物価指数(CPI、20年=100)は111.59と、前年比で3.6%上昇した。公共料金の引き上げにより、電気・ガス・水道が過去最大の上昇となり、全体を引き上げた。年間の上昇率は22年(5.1%)に続き2年連続で3%超えとなった。

各指数を見ると、物価変動の激しい農産物とエネルギーを除いた指数(110.27)は4.0%上昇した。食品とエネルギーを除いた指数(108.62)も3.4%上がった。

魚類や野菜、果物など気象条件に応じて価格変動が大きい55品目を基準に算定する「生鮮食品指数」(119.49)は果物(9.7%上昇)を中心に6.8%上昇。体感物価を把握するために、頻繁に購入する商品のうち支出割合が大きい144品目をもとに算出した「生活物価指数」(113.69)は3.9%上がった。

品目別では、電気・水道・ガス(132.27)が20.0%上昇。同品目の統計が集計され始めた10年以降で最大の上昇幅となった。工業製品(112.18)は2.6%上昇。石油類は11.1%下落したものの、加工食品(6.8%上昇)や繊維製品(6.7%上昇)などが上がった。

農畜水産物(116.28)は3.1%上昇した。農産物(6.0%上昇)と水産物(5.4%上昇)が上昇した一方、畜産物は2.2%下落となった。サービス(109.15)は個人サービスが4.8%上がるなど、3.3%上昇となった。

■12月単月では3.2%上昇

一方、23年12月単月のCPIは112.72と、前年同月に比べて3.2%上昇した。農畜水産品(119.27)が7.7%上昇、電気・ガス・水道(135.81)が9.7%上昇と、高い上昇率を記録した。工業製品(113.14、2.1%上昇)やサービス(110.01、2.8%上昇)も上がった。

韓国政府は、24年は物価が安定すると見通しているものの、不安要因として冬季の気象状況や治安の悪化による商船のスエズ運河運航回避などを挙げている。

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