断水の復旧時に注意を 富山県防災士会の吉澤理事長「濁り消えるまで出して」

 能登半島地震の影響で富山県内では一時、5市の計約1万9300戸が断水した。一部地域で復旧が進む中、県防災士会の吉澤実理事長は「断水中は元栓と全ての蛇口を閉めておき、復旧して通水したら、濁りがなくなるまで水を出し続けてほしい」と話す。

 断水中はペットボトル飲料や給水車の水を飲んでほしいとし「移動できる状況であれば、水が出る地域まで動いて洗濯や入浴をする人もいる」と説明する。濁った水や漏水調査中に蛇口から出た水は飲まずに、下水道トラブルがなければトイレを流す際などに使ってほしいと説明する。

 断水が解消したら、屋外や台所、洗面所の蛇口からゆっくり開く。断水後の水は空気や異物が混ざっていることから「故障を防ぐため給湯器を動かすのは最後の方が良い」と助言する。

 給水場所まで自力で行くのが難しい高齢者らに関しては「ポリタンクなどに水を入れて持って帰るのが困難な人も多いだろう。近くの住民や民生委員が声をかけ、地域でカバーしてもらいたい」と強調する。県防災士会は約350人が所属し、各地域で緑色のジャンパーを着て活動していると言い「困ったことがあれば気軽に相談してほしい」と呼びかけている。

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