「9時間も待って整理券を取ったのに、いつ帰れるか分からない」 空席待ちの観光客、那覇空港で一夜を過ごし疲労 羽田の事故影響で

 羽田空港で日航機と海上保安庁の航空機が衝突した事故の影響で、那覇空港では3日も欠航便や遅延が相次ぎ、空席待ちをする人や臨時便の搭乗手続きをする人たちで混雑した=写真(竹尾智勇撮影)。那覇-羽田を結ぶ路線は少なくとも7便が欠航。2日から代替便が取れずに帰宅困難となり、途方に暮れる観光客もいた。

 家族で富山県などを訪れた金城貴子さん(50)=那覇市=は2日夜に羽田から戻る予定だったが、事故の影響で3日に帰ってきた。離陸時に見た事故機の残骸を見て悲しい気持ちになり、手を合わせたという。「旅行は楽しかったが、能登半島地震や衝突事故もあって複雑」と話した。

 空席を予約するため、那覇空港で一夜を過ごした石井さゆりさん(51)=千葉県=は「9時間も待って整理券を取ったのに、いつ帰られるかが分からない。きょうも無理だろうね」と疲れ切った表情を浮かべた。

 友人と3人で宮古島を観光した会社員の20代男性=埼玉県=は2日の便が欠航となったため、急きょ石川県の小松空港経由の便を予約したという。「大地震の余震も心配だが、早く帰らなければ」と話していた。

(社会部・玉那覇長輝)

羽田空港での日航機事故の影響で欠航が相次ぎ、ごった返す那覇空港=3日午前11時8分(竹尾智勇撮影)

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