減塩、歩数の目標設定 県、次期「健康安心プラン」策定へ

山形県庁(資料写真)

 県は「健康長寿日本一」の実現を目指し、第2次健康やまがた安心プラン(2024~35年度)を策定する。本県の食文化などを考慮して2段階の減塩目標を設定するなど、健康寿命延伸を図る施策の方向性や県民の実践指針について、専門家と協議している。

 健康増進、がん対策、循環器病対策、歯科口腔(こうくう)保健の4分野で構成。健康増進では22年、20歳以上の県民の1日当たり食塩摂取量は10.5グラムで、現プランの目標だった8グラムを達成できなかった。次期プランでは、28年まで当面の目標を8グラムと据え、最終目標は7グラム(32年)とし「素材の味を生かした減塩生活」の推進などに取り組む。新たに歩数の数値目標を定め、年齢や性別に応じた健康づくりの視点を盛り込む。

 がん検診受診率は第1次策定時と比べ全部位で改善し、60%だった目標値を70%とする。循環器病対策では、脳血管疾患と虚血性心疾患の死亡率が全国平均を上回っている点を踏まえ、特定健診受診者の血圧に関する指針を新たに定める。歯科口腔では、定期的な歯科健診が健康状態に大きく影響するとして、受診者の割合(18歳以上)の目標を、65%から95%に引き上げる。

 12月下旬、学識経験者や保健医療関係者でつくるプラン策定委員会で、県が各分野の部会での議論を経た素案を示した。委員からは「健康・医療情報を効果的に活用する『ヘルスリテラシー』を高めるには、具体的な指標が必要ではないか」「健康づくりの推進には市町村の役割が大きい。情報共有を強化すべきだ」といった意見が上がった。

 県は委員の意見を踏まえた修正案について、1月下旬にパブリックコメントを実施し、年度内のプラン策定を目指す。

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