山火事で街が焼失 松山英樹とプロアマ同組CEOが18ホールに込めた思い

ゲーリー・バーニソン氏(左から2人目)は地元のエッセンシャルワーカーをプロアマに招待した(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ザ・セントリー 事前(3日)◇プランテーションコースatカパルア(ハワイ州)◇7596yd(パー73)

2024年シーズン初戦の開幕前日、松山英樹は4人のアマチュアとプレーをともにした。警察官、医療従事者、消防士…。彼らを集めたのは4人目のゲストであるゲーリー・バーニソン氏。見事なゴルフの腕前も披露したバーニソン氏、実は下部ツアーの冠スポンサーでもある経営コンサルティング会社・コーンフェリーの最高経営責任者(CEO)を務める人物だ。

ハワイ州マウイ島では昨年8月に大規模な山火事が発生し、米メディアによると、米国での山火事の犠牲者数としては1918年以降で最多となる115人が亡くなった。最も被害が大きく、中心市街地のほとんどが焼失したラハイナは開催コースからほど近い場所にある。3人のゲストは、いずれもラハイナで働くエッセンシャルワーカー。中には山火事で家を失い、いまもホテル生活を余儀なくされている人もいる。

山火事で苦しんだ人たちとともに楽しいひと時を過ごした(撮影/田辺安啓(JJ))

「山火事で苦しむ人のために何かできないか」。コーンフェリーの本社があるカリフォルニア州ロサンゼルス在住のバーニソン氏は、これまで何度も訪れていたハワイで起きた自然災害に心を痛め、行動を起こした。この大会のプロアマに出たことはなかったが、トーナメントコースをプレーする機会をプレゼントして少しでも楽しんでもらえればと考えたそうだ。

祖父母がマウイ島出身のコリン・モリカワ、幼少期にカウアイ島に住んでいたことがあるザンダー・シャウフェレといったPGAツアー選手たちは、トーナメントウィークに入る前からチャリティ活動に取り組み、今週に入っても継続している。バーニソン氏も「あくまで個人的なものですが、今後も何か(支援を)したいですね」と寄り添い続ける意向を示した。(ハワイ州カパルア/亀山泰宏)

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