【中山金杯/危険な人気馬】重賞ウイナーを“消し” 勝率わずか3.7%データ&2002年から勝ち馬ゼロの歴史

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新年の幕開けとなる一戦は、恒例のハンデ重賞、第73回中山金杯(GIII、芝2000m)が中山競馬場で行われる。

今年は、トップハンデ58.5キロを背負うマテンロウレオや、チャレンジC4着に善戦したエピファニー、重賞初挑戦のマイネルクリソーラや、昨年2着のクリノプレミアムなど、個性的なメンバーが揃う混戦模様で、どの馬が来てもおかしくないレースとなりそうだ。

そんな中、昨年のフローラS覇者ゴールデンハインドが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■長期休養明け×牝馬は絶好の消し条件

昨年は、フローラSで鮮やかな逃げ切り勝ちを収め、オークスでは4番人気に支持されたゴールデンハインド(結果は11着)。その後は、軽度の骨折等で休養を余儀なくされ、今回は約7カ月半ぶりの復帰戦となる。重賞勝ちの実績は、このメンバーなら威張れるもので注目を集めそうだが、過信は禁物だ。

まず、長期休養明けは中山金杯ではマイナス。過去10年で中9週以上、出走間隔が開いていた馬の成績は【1.0.2.24】勝率3.7%、複勝率11.1%で、秋から冬にかけて使われていた馬に比べるとかなり分が悪い結果となっている。

昨年、ラーグルフが中9週で勝ち星を挙げているが、2016年ブライトエンブレム(2人気6着)、19年タイムフライヤー(2人気5着)、21年ディープボンド(2人気14着)、22年ヴィクティファルス(3人気13着)など、菊花賞から2カ月以上の休養で人気を集めた馬は、軒並み人気以下に敗れており、冬場における休み明けの調整の難しさが見て取れる。ましてや、約7カ月半ぶりの正月開催で結果を出すためには、シビアな調整が求められるだろう。

加えて、牝馬があまり活躍できていない点も中山金杯の特徴。同日に関西圏で開催される京都金杯は過去10年で【2.0.2.13】と、比較的牝馬も馬券に絡んでいるが、中山金杯は【0.1.0.11】で、2001年カリスマサンオペラ以降、勝ち馬は輩出していない。中山金杯では牡馬を中心に馬券を組み立てたほうが賢明だ。

金杯といえば、“金”が馬名に入っている馬が来ると、オカルト的に叫ばれることがある。ゴールデンハインドは、馬名に“ゴールデン”が入っており、父は“ゴールド”シップ、祖父はステイ“ゴールド”と、まさに“金”尽くし。そのことから、過剰に人気を集めそうな雰囲気もあるが、冷静にジャッジすれば、長期休養明けの牝馬という、なかなか馬券に絡むことが難しい条件を備えており、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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