猫は全身ヒゲだらけの生き物?!猫がヒゲを使ってできることや、ヒゲにまつわる豆知識

1.猫は全身にヒゲがある!

猫のヒゲといえば、鼻の横に生えている毛を思い浮かべがちかと思います。もちろん、左右に伸びたあの立派なヒゲは代表的なものですが、実はもっとたくさん存在しているのです。その数なんと、50~60本!!

顔だけでなく四肢にも生えていますが、大半のヒゲは顔に集中しています。機会があれば、猫の顔をよく観察してみてください。まゆげのように見える目の上の毛もヒゲですし、頬からも数本、生えているのが確認できると思います。

その他にも顎の下、口の端にも見られるでしょう。四肢のヒゲは、手首から少し離れたところに生えています。

ちなみに、猫の肉球は足先だけでなく、手首にもあることをご存じでしょうか。足先からひとつだけ独立したような形で付いているその肉球から少し肘寄りのところに、実は5mm程のイボがあるのです。そこから、ヒゲが生えています。

猫のヒゲは周囲の状況を知るセンサーとして役立っていますが、この脚先にあるヒゲは、どんな役割を果たしているのか、まだよく分かっていないようです。一応、さまざまな仮説は立てられているようですが…。

このように、猫は全身ヒゲだらけとも考えられますが、だからといって「少しくらい切っても大丈夫!」ということではありません。そんなことをする方はいらっしゃらないと思いますが、故意に切るのは絶対に避けてください。さまざまな弊害が生じてしまうのは、想像に難くありません。

2.猫ヒゲの機能

顔を立派に飾っているのかとも思われる猫のヒゲですが、実はとても大切な役割を果たしています。何かが触れればもちろん反応しますし、触れなくても微妙な空気の動きも感じ取っている、といわれています。

また、距離を測るのにも使われています。猫が体ギリギリの狭い場所を通れるのは、あらかじめヒゲを使って大丈夫かを判断しているからなのだそうです。とはいえ、人から見ると不可能そうな場所でも、その想像を超えて通ってしまうのにはいつも驚かされます。

また、猫のヒゲは感情表現にも役立っています。気分が下がっていればヒゲも下がるし、何か興味を惹かれているものがあればブワッと開いて、好奇心全開になっていることを物語るのです。表情にはあらわれていなくても、ヒゲを見れば愛猫の気分が一目瞭然だったりします。

3.動物界No.1!?

猫のヒゲは動物界でもNo.1を誇る高機能を持ち合わせているセンサーなのだそうです。分かりやすい比較対象として、今回は犬と比べてみましょう。

猫はヒゲを使い、狭いスキマを通れるかどうか判断していると前述しました。それでは、同じく立派なヒゲを蓄えている犬では、どうなのでしょうか。犬は猫のようにヒゲでの判断ができないため、スキマに入って途中で行き詰まり、「通れなかったワン…」となるそうです。

この違いは、ヒゲに神経が通っているかどうか。猫のヒゲは根本で神経に繋がっており、非常に鋭敏な空間認識をしています。一方、犬のヒゲは神経には繋がっておらず、猫のような認識は行えないのです。

狭いスキマに入ったはよいけれど、途中で通れないと気付く犬は可愛いですが、思わぬ事故に繋がらぬよう、飼い主さんは注意が必要なのが分かります。とはいえ、猫も認識を間違うことがあるようで、稀にスキマに詰まってしまうケースがあるため、油断は禁物です。

4.幸運のお守りとして珍重されている

猫のヒゲは、猫から抜けたものが猫の飼い主さんから「幸運のお守り」として珍重されています。そんなに大事にされているとは、当の猫もビックリかもしれません。しかし、時に神秘的にすら見える猫の落とし物と思えば、人がお守りだと思うのもムリはないのかも…。

猫のヒゲは、日本では金運、ヨーロッパでは恋愛運のお守りと考えられる場合が多いようです。もし拾えたら、かなりラッキーかもしれません。というのも、猫のヒゲは半年に一度程度しか生え変わらないからです。

その上、あのような細い物体ですから、抜けてもどこかへ行ってしまうことがほとんどでしょう。そのため、もし見つけたらそれだけでも幸運と考えられるのではないでしょうか。

そして飼い主さんによって、その保存方法はさまざまなようです。紙に包んでいる、という方もいれば、ビニール袋や専用ケースに入れている、中には針山に刺しているという方もいます。オリジナルな保存方法を考えてみると、楽しいかもしれません♪

5.ヒゲがないと…

もし何らかの理由で猫のヒゲがなくなってしまったら、どうなってしまうのでしょうか。猫のヒゲは高機能なセンサーで、彼らの動きをサポートしています。そのため、もしヒゲがなくなってしまったら、猫の生活に悪影響が生じるようです。

具体的には、ヒゲがなくなったことで平衡感覚を失い、物にぶつかり易くなります。そのため、体を動かすのに不安を感じるようになるともいいます。感情表現も、十分にできなくなってしまうでしょう。

人に例えると、まるで暗闇の中を灯りなしで進むようなものだそうです。どのような恐怖かは、想像に難くないでしょう。突如として周辺状況を認識することができなくなれば、どれ程のストレスを感じるか分かりません。

繊細な猫のことですから、ヒゲがなくなると精神的にもダメージを感じざるを得ないでしょう。このことから、猫のヒゲは変にいじらない、というのが鉄則です。

まとめ

猫のヒゲは決してお飾りではなく、彼らの動きをさまざまな形でサポートしていることが分かりました。

猫にとって、とても大切な器官のひとつなのですので、ぜひとも大切にしてあげてください。

そうすれば、もしかしたら何かしらのご利益を賜れるかもしれませんよ♪

© 株式会社ピーネストジャパン