海上保安庁の機体は事故直前に“滑走路の中で約40秒間停止”していたか 日本航空機との衝突事故  

2日、羽田空港で日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故。海上保安庁の機体が事故の直前、滑走路の中でおよそ40秒間停止していたとみられることが新たに分かりました。

羽田空港の滑走路で炎を上げて炎上する機体。

乗客が撮影した映像では、窓からも炎が見えます。

この事故は2日午後6時前、日本航空機が羽田空港に着陸した際、滑走路で海上保安庁の航空機と衝突し、海上保安庁の機体に乗っていた副機長の田原信幸さんら5人が死亡しました。

日本航空機の乗客・乗員379人は、全員脱出しました。

この事故により羽田空港の滑走路が閉鎖された影響で、中部空港では羽田への着陸を予定していた国内線12便と国際線1便のあわせて13便が到着しました。

行き先が変更となった乗客は。

(広島から)
「小さい子もいたのでパニックになっていた。到着するという時にUターンしますと言われて、えって思った。新幹線がとれないらしいので泊まるのかなって、ちょっと困っています」

(鹿児島から)
「機内のテレビに飛行機が羽田空港で燃えている映像が流れて、15分後ぐらいに(Uターンするという)機内の放送が流れた。どう帰ったらいいのかまだ迷っている」

(沖縄から)
「今日(2日)はもう子どもが体力ないので、名古屋駅の方までどうにか行って、明日東京方面に戻ろうと思っています」

なぜ事故は起こったのか。JNNのカメラには事故の直前、滑走路に向かって進む海上保安庁の機体が映っていました。

映像では機体が滑走路内とみられる場所まで進んで停止していて、それからおよそ40秒後、日本航空機と衝突し大きな炎が上がりました。

国交省が明らかにした交信記録では事故の2分前、海保機側から管制官に対して滑走路前の停止位置に向かうことが告げられていて、海保機側が停止する位置を誤って認識していた可能性もあります。

こうした中、警視庁は海上保安庁の機体に乗っていた唯一の生存者の機長に任意の事情聴取を行っていて、機長が「航空機の後部がいきなり燃えた」などと話していることが新たにわかりました。

警視庁は、日航機でけがをした乗客の一部についても事情聴取を始めていて、今後も関係者から事情を聞くなどして事故原因について詳しく調べる方針です。

© CBCテレビ