何かと記録的だった2023年 全国109地点で年平均気温1位を更新

 

2023年の天候まとめ。出典:気象庁HP

 2023年(令和5年)は、年平均気温が全国的に高く、特に北・東・西日本で記録的な高温となった。また、秋は西日本の太平洋側で記録的な少雨と多照となった。

■記録的な高温

  春~秋にかけて気温の高い状態が続き、低温は一時的だったため、年平均気温は全国的に高く、特に北・東・西日本でかなり高くなった。1946年の統計開始以降、北・東日本で年平均気温が1位の高温、西日本では1位タイの高温となった。年平均気温は、根室(北海道)、東京、福岡など109地点で年平均気温の高い方からの1位の値を更新し、津山(岡山県)、大分など5地点で1位タイの値を記録している。

■夏は猛暑 大雨も

 夏(6~8月)北日本を中心に暖気に覆われやすく、また南から暖気が流れ込みやすかった。このため、夏の平均気温平年差は北日本で+3.0℃、東日本で+1.7℃、西日本で+0.9℃となり、1946年の統計開始以降、北日本と東日本で1位、西日本で1位タイの高温となった。北日本の記録的な高温には、周辺海域での海水温の顕著な高温も影響した。

 梅雨前線や台風の影響を受けたため、夏(6~8月)の降水量は東・西日本の太平洋側と沖縄・奄美で多く、夏の日照時間は沖縄・奄美で少なかった。8月なかばには、和歌山県に上陸した台風7号の影響で大量の暖かく湿った空気が流れ込んだため、東・西日本を中心に記録的な大雨となった所があり、線状降水帯が発生した鳥取県で大雨特別警報が発表されるなど、各地で土砂災害や河川の増水・氾濫、浸水の災害が発生した。

■記録的少雨・多照

 東・西日本の太平洋側と沖縄・奄美は、秋雨前線や低気圧、台風の影響を受けにくく、高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、秋の降水量はかなり少なく、秋の日照時間はかなり多かった。特に、西日本の太平洋側は、秋の降水量平年比が48%、秋の日照時間平年比が120%で、1946年の統計開始以降、秋として1位の少雨および多照となった。

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