南海トラフ巨大地震の約50年前に「中部や近畿の内陸」で大きな地震 能登半島地震との関連は? 専門家に聞く

29年前の阪神・淡路大震災の規模M7.3を上回る、マグニチュード7.6という大地震となった、今回の能登半島地震。

連日、余震が続いている能登半島では今、いったい何が起きているのでしょうか。

(名古屋大学 地震火山研究センター・田所敬一准教授)
「泥みたいなものが出ている感じがする。ちょっと茶色っぽくなっている。おそらく液状化が起こったんじゃないか」

海底の地殻変動の専門家・名古屋大学の田所敬一准教授に、マグニチュード7.6の大地震が発生した翌日の2日に、取材しました。

(田所敬一准教授)
「(1日)地震が起こってから2日まで、赤い丸が全部 地震が起こった場所。非常にきれいに一直線に並んでいる。ここが能登半島の北岸になるが、海底に活断層がある」

田所准教授が指摘したのが、能登半島の北側の海底から陸側にかけて切れ込む、「海底活断層」の存在です。

(田所敬一准教授)
「100キロ、それを少し超えるくらいの長さの非常に大きな断層が動いて、マグニチュード7.6という非常に大きな地震になったと考えられる」

そこで気になるのが、東海3県など太平洋沿岸で、今後40年のうちに「90パーセント」もの高い確率で発生すると言われている「南海トラフ巨大地震」と今回の能登半島地震が関連しているのかどうか。

能登半島地震と南海トラフ巨大地震との関連は?

(田所敬一准教授)
「今回の能登の地震が、南海トラフ地震を誘発するとうことはないと思う。ただ過去の事例を見ても、南海トラフ地震が起きる50年くらい前、中部地方とか近畿地方で内陸で大きな地震が起こっている」

ことし、発生から丸80年を迎える、南海トラフ巨大地震の一つ、1944年12月の「昭和東南海地震」では、「津波」や「強い揺れ」で三重県を中心に大きな被害が出ました。

その53年前には、岐阜県の根尾谷を震源に、マグニチュード8.0という史上最大の内陸直下型地震と言われる「濃尾地震」が起きています。

(田所敬一准教授)
「中部地方は特に活断層が日本の中でも密集した場所。(東海3県など)中部地方の他の地域でも内陸で大きな地震が起こるかもしれないので注意してほしい」

「あっという間に押し寄せる津波」や「建物密集地での火災」にどう備えるか。

また「建物の耐震性」をどう高めていくのかなど、今回の能登半島地震は南海トラフ巨大地震のリスクを抱える東海3県の私たちにも、大きな課題を突きつけています。

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