【中山金杯/全頭診断】想定6人気以下に「2.2.1.1」 ゴールデンハインドは“消し”も

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今週は中山競馬場で、第73回中山金杯(GIII、芝2000m)が行われる。年明け一発目に施行される名物重賞。今年も多士済々なメンバーが“初笑い”を目論む。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬17頭の全頭診断を行う。

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■中山金杯2024 出走予定馬全頭診断

・アラタ

昨年の当レースは勝ち馬とタイム差なし。中距離重賞での実績は十分なものがあるが、近2走は掲示板外の結果以上にテンのダッシュ力が鈍ってしまっている。休み明けの前走から再度間隔があいた点も気がかりだ。

・エピファニー

一昨年は4連勝でオープンクラスまで駆け上がった馬。その後は好走→凡走を繰り返しているものの、当距離での持ち時計1分57秒2が示すように能力は申し分ない。ただ、当時もそうだが時計の速い馬場コンディションでこそ真価を発揮するタイプ。当レースの近年勝ち時計は2分台が続いており、この馬向きの馬場と言い切れない点は注意しておきたいところだ。

・エミュー

中山で3勝を挙げる舞台巧者だが、2勝は牝馬限定戦。牡馬混合重賞での変わり身は望み薄か。

・カテドラル

フタ桁着順が続く現状。厳しい。

・カレンシュトラウス

リステッド競走でも掲示板外続き。直線の長いコースが合うタイプでもあり、中山替わりもプラスとは思えない。

・キタウイング

3勝はいずれも芝1600m戦。距離延長での強調材料は乏しい。

・ククナ

前走エリザベス女王杯→当レースに臨むローテーションは昨年2着馬クリノプレミアムとまったく同じ。叩き2戦目の成績【1.0.3.1】を見るより、ここ狙いの臨戦過程は明らか。2着好走の七夕賞と同じ内枠を引き当てることができれば妙味は増す。

・クリノプレミアム

昨年のこのレース2着馬。相性は申し分ないが、前走は得意の中山にもかかわらずフタ桁着順に敗れた。一変を望むには酷に映る。

・ゴールデンハインド

過去10年の中山金杯において、古馬混合戦で馬券内がない4歳馬は【0.0.0.13】。クラシック戦線を戦い抜いたディープボンドも例に漏れず馬券外に敗れていた。オークス以来の実戦でもあり、ここは様子見が妥当か。

・サクラトゥジュール

この馬の取捨は枠順にある。2走前のメイSや昨年1月のニューイヤーSは内枠で連対を確保したが、馬番フタ桁番の前走、3走前はいずれも掲示板外だった。ロスなく運べる枠を引き当てることが絶対条件。枠順次第で評価を変えたい。

・サトノエルドール

2年以上にわたって馬券内から遠ざかる現状。厳しい。

・ホウオウアマゾン

フタ桁着順が続く現状。復調にはもう少し時間がかかりそうだ。

・ボーンディスウェイ

この馬で注目したいのは冬適性。12-2月は【2.2.1.1】と安定した成績で、唯一の馬券外もホープフルSの5着なら評価は下がらない。スローが想定される展開は先行力のある同馬にとって大きなアドバンテージ。軽視はできない。

・マイネルクリソーラ

前走アンドロメダSは2着とオープンクラスでも戦えることを証明。ただ、当時は内枠から終始ロスなく運び、直線もインの経済コースを通った利を得たレースでもあった。昨年1月の中山芝2000mは2勝クラスで勝ち馬と0秒9差。上位人気が想定されるなかでは一枚評価を落とすべきか。

・マイネルファンロン

2年近く馬券外が続く馬。年齢も含め、上位進出は容易ではなさそうだ。

・マテンロウレオ

昨年は大阪杯4着、天皇賞・春5着とGIでも掲示板内を確保。京都記念ではドウデュースの2着と、戦ってきた相手が強いなかで健闘をみせた。その後は案外も、冬競馬替わりの前走は勝ち馬と0秒3差。きさらぎ賞、中日新聞杯、京都記念と重賞での連対はすべて冬競馬という冬馬でもあり、軽くは扱えない。

・リカンカブール

右回りでは【4.1.0.2】と好走多数。昨年以降のレースで道中後方待機が目立つ点は気にはなるが、何らかの印は必要か。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2024年1月4日 18:03公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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