国宝の講堂で論語読み上げ 備前・旧閑谷学校で「読初の儀」

国宝・講堂で「論語」や「大学」を読み上げる高校生ら

 国特別史跡・旧閑谷学校(備前市閑谷)で4日、勉学への決意を新たにする新年行事「読初(よみはじめ)の儀」が行われ、高校生ら80人が儒教の経典の「論語」「大学」を読み上げて自身の成長を誓った。

 参加者は国宝の講堂で丸い敷物・円座に座って受講。「己をおさめて以(もっ)て百姓(ひゃくせい)を安んず(立派な人物は自分の心を磨き、多くの人を穏やかにさせる)」「心ここにあらざれば視(み)れども見えず、聴けども聞こえず(心は落ち着いた状態でないと磨けない)」など五つの文章を朗読し、県青少年教育センター閑谷学校の香山真一所長から解説を受けた。

 備前緑陽高2年の生徒(17)は「長い歴史を感じながら勉強できた。学びを生かして率先して行動し、みんなを引っ張っていける生徒会長になりたい」と語った。

 講義に先立ち、孔子を祭った聖廟(せいびょう)前で能登半島地震の犠牲者らに黙とうをささげた。

 「読初の儀」は1700年代初頭に始まったが明治期に途絶え、特別史跡旧閑谷学校顕彰保存会が2005年に復活した。

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