ブライアンとロジャーが語る、クイーンのライヴでの技術進化と観客の変化

Brian May performs ‘Love Of My Life’ O2 London © Queen Productions

50年に及ぶクイーン(Queen)のキャリアから、貴重な蔵出しライヴ映像や、最新パフォーマンス、舞台裏を明かすインタビュー等を50週にわたって紹介していくバンドのシリーズ『Queen the Greatest Live』。

今回公開された第45話「21世紀のクイーンのライヴについて、観客や技術の違いをブライアンとロジャーが語る」では、1970年以来、ライブ技術の進化や観客の変化についてブライアン・メイとロジャー・テイラーが語る独占インタビューが公開されている。

<YouTube: 21世紀のクイーンのライヴについて、観客や技術の違いをブライアンとロジャーが語る>

観客の変化

クイーンは70年代に誕生し、80年代にはその人気を不動のものとした。彼らはブリティッシュ・ロック黄金時代のバンドとして、ほとんど唯一無二の存在であり、常に観客を驚かせる無類の能力をもち、現在も現役であり続けている。

今回公開されたブライアン・メイとロジャー・テイラーの独占インタビューでは、ライヴでの体験がどのようにして、この変化する世界に適応してきたかを説明し、今日のライヴや観客がキャリアが始まった頃と比べてどう変化したかという問いに答えている。ブライアンは、最近行っているラプソディ・ツアーでの観客の変化について次のように語る。

「最も大きな違いは携帯電話だ。昔の人はそんなものを持っていなかったから、ただそこにいて、心と身体と目と耳で交流していた。でも、今はそうじゃない。みんな、何かを不朽のものにしたいという衝動に駆られている。だから外を見渡すと、人と同じくらい携帯電話を見かけるよね。それに秘密がなくなってしまった影響もある。昔は別の町から次の町へ行ってライヴを行っても、観客たちは私たちが何をするのか知らなかった。だからすべてが新鮮でエキサイティングだった。今では、みんなライヴを撮影している。YouTubeやInstagramに映像がアップされ、昨夜のコンサートで何が行われたが知れ渡るんだ」

幸いなことに、ブライアンにはファンにライヴだけで体験できる機会を与えることができている。

「“Love Of My Life”を演奏するときは、ライトを点けて欲しいって頼むんだ。みんなは必ずしもピンとこないだろうけど、私が言いたいのは、その瞬間は携帯電話を使って撮影しているわけではないということなんだ。実際にライトを使っているわけだから、同時に撮影することはできないからね。それが、その瞬間がとてもパワフルである理由のひとつだと思う」

技術の進化

2023年に行ったライヴのオープニングにて、ロボット軍団が侵略してくるという目を見張るようなイリュージョンで飾ったバンドとして、クイーンのライヴの演出が旧態依然としたままだと非難されることはないだろう。ロジャーはステージの演出について、特に照明についてこう語る。

「現代の照明はほとんど熱を発しないんだ。以前は、ステージはまるでかまどだったよ。照明機材が近づいてきて、俺のスツールが煙に包まれることもあった。ステージ上はとても暑く、筆舌に尽くしがたかった。もちろん、今はそうではなくなった。それに、年々良くなっている素晴らしいスクリーンもある。それを使って素晴らしいことができるんだ」

最終的にブライアンは、ライブ・ショウの原始的なスリルを見失うことなく、最先端のものを取り入れるのがコツだと説明する。

「意識的にオールドスクールにしているところはいくつかある。ひとつは間違いなく照明の操作方法だよ。最近は、プリセットされた照明の動きに合わせて演奏する人が多い。それに対して私達は、誰かが私たちの演奏に合わせて照明を動かしてもらうほうが好きなんだ。(スクリーンに映す)ビデオも同じだ。私たちはクリックに合わせて作業するのではなく、私たちの動きに合わせて少しずつビデオを操作してもらっているんだ。そのおかげで、すべてがロックインされ、真のライブショーになるんだ」

Written by uDiscover Team

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クイーン『絆(KIZUNA)』
CD発売日:2024年1月31日(水)
品番: UICY-80362
【限定盤】【SHM-CD仕様】【日本のみの発売】

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