「キャプテン翼」漫画連載4月に終了 スタートから43年ついに最終回 物語は形を変え継続へ

漫画家・高橋陽一氏(63)の世界的人気サッカー漫画で、コミックス累計発行部数9000万部を誇る「キャプテン翼」の漫画連載が、4月初旬発売予定のコミック雑誌「キャプテン翼マガジンvol.20」(集英社)掲載話をもって最終回となることが5日、分かった。この日発売の「キャプテン翼マガジンvol.19」で発表された。

高橋氏は同誌「vol.19」誌上で、ファンへの思いのたけをつづった。同社を通じて、報道各社にもメッセージを寄せ「ここ数年、この先の物語をいったいどこまで描けるのか、ずっと考えていました。そして今回、最後まで連載にこだわり体力の限界まで〝漫画〟を描き続けるよりも、連載をやめ『キャプテン翼』の最終回までの〝物語〟を残す決断をしました」と、漫画での連載終了を決断した理由を語った。

サッカーの天才少年・大空翼を主人公にしたキャプテン翼は、1981年(昭和56)に「週刊少年ジャンプ」誌上で連載がスタート。「週刊ヤングジャンプ」「グランドジャンプ」に連載の場を移し、2020年からは「キャプテン翼マガジン」に発表の場を移し、4日に「キャプテン翼 ライジングサン」19巻が発売されたばかり。

63歳の高橋氏は、一応の目安の最終回までの構想があるとしながらも「この構想をすべて漫画化するにはこの先40年以上かかってしまうかもしれない」と吐露。体力的な限界があるとし「たとえばネーム(漫画制作の元になる絵コンテのようなもの)などの形で〝物語〟を残すことだけに集中すればできるかもしれない」と、漫画以外の形で継続していく決意を明らかにした。

コロナ禍やスタッフ体制維持の困難、そして「僕が漫画家を目指すきっかけであり、一番の憧れであり、目標だった水島新司先生の訃報が飛び込んできたことも考えさせられる契機になりました」と、2022年1月に82歳で死去した漫画家・水島新司さんの名を挙げた。

連載中の「キャプテン翼ライジングサン THE FINAL」と「キャプテン翼 MEMORIES4 最強!!明和FC伝説」が、キャプテン翼マガジン「vol.20」で最終話を迎えることを宣言した高橋氏。今後の物語の発表方法や場所が決まりしだい、告知するとし「今はまず、連載の最終回までの原稿を全力で描き切ろうと思っています。どうか最後までおつきあいください」と呼びかけた。

(よろず~ニュース編集部)

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