〈1.1大震災〉温かい料理「元気でた」 氷見で飲食2店炊き出し

ラーメンを配る住民=氷見市内

  ●住民ら談笑、励まし合う

 能登半島地震で最大震度5強を観測した氷見市では4日、地元の飲食2店が避難所などで炊き出しを行った。市内の広域で依然断水が続き、避難生活の長期化が懸念される中、助け合いの輪が広がっている。久しぶりに温かい料理を口にした住民は近所の顔なじみの人たちと談笑しながら「元気がでた」「もうひと頑張りしよう」と励まし合った。

 5世帯約20人が自主避難所として身を寄せる氷見市間島の余川谷農業研修館。4日正午ごろ、損壊した家屋の片付け作業で疲れた様子の住民が次々と集まった。島尾海水浴場でカフェレストラン「The Boon(ザ・ブーン)」を経営する村井雅司さん(57)がラーメン50食を振る舞った。

 村井さんは、研修館周辺の地域で多くの家屋が壊滅的被害を受けたことを知り、炊き出しを実施した。住民は持参した梅干しや漬物などを分け合い、ラーメンと一緒に食べた。2日から研修館で寝泊まりしている沖崎アイ子さん(91)=栄町=は「みんなに助けてもらって何とか生きている」と感謝しきり。稲積まちづくり協議会長の鎌和紀さん(72)=同=は「コミュニティーを守るため頑張るしかない」と力を込めた。

  ●研修館周辺の40軒「修復不可能」

 研修館周辺の県道沿いの一部地域では木造家屋が地盤沈下や地割れで激しく損傷した。4日は応急危険度判定士による調査が行われ、大半が「危険」「要注意」とされ、赤色や黄色の札が貼られた。鎌さんによると、約40軒が修復不可能な被害を受けたという。

  ●塩ラーメン150食提供

 市ふれあいスポーツセンターでは4日夕方、丸の内のラーメン店「氷見ラーメン」の伊藤龍司代表(47)が移動販売車で駆け付け、避難生活を過ごす市民に塩ラーメン約150食とおにぎりを提供した。

 店舗は水が十分に使えない状態で営業再開のめどは立っていないが、在庫の麺やチャーシューが無事だった。移動販売車を使い、射水市で水を確保し、ラーメンを振る舞った。伊藤代表は「体を温めて、ほっと一息ついてもらえたら」と願った。

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