テレビ朝日がフィギュアの壽屋の筆頭株主に 2023年12月の大量保有報告書

東京証券取引所

M&A Onlineが大量保有データベースで2023年12月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、テレビ朝日がフィギュアやプラモデルなどを製造する壽屋株式の12.55%(議決権に対する割合は12.89%)を取得したことが分かった。テレビ朝日は保有の理由を「資本業務提携を目的とした政策投資」としている。

壽屋については筆頭株主で社長の清水一行氏が同社株を2.89%売却し、保有割合を14.61%(共同保有分を除くと11.01%)に引き下げた。これに伴って壽屋ではテレビ朝日が同社の「筆頭株主に該当することが見込まれる」と発表した。

今後、両社はオリジナルIP(知的財産)やコンテンツを共同開発するほか、すでに両社が保有している IPやコンテンツを活用した商品開発やメディア展開などに取り組む。

壽屋の2024年6月期の売上高は180億円(前年度比0.6%減)、営業利益は23億円(前年度12.0%減)の減収減益予想。テレビ朝日との提携によって反転することはできるだろうか。

トヨタ、デンソーの保有割合を引き下げ

2023年12月は、このほかに燃料ポンプの不具合問題を抱えるデンソーについて、トヨタ自動車が2.74%を手放し、保有割合を20.22%引き下げたほか、豊田自動織機も2.75%手放し、保有割合を5.87%に引き下げた。両社ともに保有割合を引き下げた理由については、明記していない。

フードサービスなどを手がけるシダックスについては、オイシックス・ラ・大地が2023年12月26日に27.66%を買い増し保有割合を80.07%に高めた。

シダックスについては、きらぼしキャピタルが5.17%を手放し、保有割合をゼロにしたほか、野村証券も保有していた0.42%全株式を売却した。

シダックス創業家の資産管理会社である志太ホールディングスが実施していたシダックスに対するTOB(株式公開買い付け)は、2023年12月25日に成立している。

旧村上ファンド系の南青山不動産、大豊建設株を買い増し

石炭事業を展開する住石ホールディングス株を、2023年11月に10度(合計22.29%を取得)買い増し、保有割合を41.28%に高めていた麻生が、12月も同社株を1.56%買い増し、保有割合を42.84%に高めた。

また、旧村上ファンド系の南青山不動産は、大豊建設株を1.01%買い増し、保有割合を9.48%に高めた。保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としている。

2023年12月の大量保有報告などの提出件数は1068件で、このうち保有割合を増やしたのは309件、新規保有が173件、保有割合を減らしたのが497件、契約の変更などが89件だった。

文:M&A Online

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