写真家の篠山紀信さん死去 著名人撮影や「激写」シリーズ

篠山紀信さん

 ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻ら「時代の顔」となった著名人のポートレートを手がけ、宮沢りえさんのヌード写真集や「激写」シリーズで知られる写真家の篠山紀信(しのやま・きしん、本名紀信=みちのぶ)さんが4日死去した。83歳。東京都出身。妻は元歌手の南沙織さん、次男はタレントの篠山輝信さん。

 日本大芸術学部卒。広告制作会社を経て1968年に独立。週刊誌の表紙やレコードジャケット、グラビア写真集などを中心に活躍した。

 作家の三島由紀夫、歌舞伎俳優の坂東玉三郎さん、歌手の山口百恵さんら、名だたる著名人たちの魅力を斬新に表現したポートレートを得意とした。水着のアイドルから市井の女性までを撮った「激写」シリーズで鮮烈な印象を残した。

 91年には俳優の宮沢さんの健康的なヌードを撮った「Santa Fe」が165万部の大ベストセラーとなり社会現象に。同じ年に出した樋口可南子さんの写真集は「ヘアヌード」が話題となった。他方、野外でのヌード撮影が公然わいせつ罪に問われ、議論を呼んだ。

ジョン・レノン(右)とオノ・ヨーコさんのアルバム「ダブル・ファンタジー」のジャケット写真(Michael Ochs提供、ゲッティ=共同)
篠山紀信さんが撮影した宮沢りえさんのヌード写真集「Santa Fe」。1990年代に大ベストセラーとなった
インタビューに答える篠山紀信さん。手前にはこれまでに出版した写真集の数々が、背後には展覧会のポスターが並ぶ=2016年9月、東京都港区
インタビューに答える篠山紀信さん=2016年9月、東京都港区

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