支え合い働く環境 次代に手渡す 琉球銀行事務集中部部長 崎間由香子さん【2024沖縄の輝く女性たち・PR】

スタッフとコミュニケーションを取る琉球銀行の崎間由香子部長(左)=浦添市・琉球銀行浦添ビル

 県内に61の本支店と14の出張所を構える琉球銀行。営業店のバックオフィス業務を一手に担い、支える「縁の下の力持ち」が事務集中部だ。100人超の大所帯を統括する部長の崎間由香子さんは、かつて子育てで苦労した時、上司や同僚に支えられた経験から「次世代へバトンをつなぎたい」との思いで、働きやすい職場へ環境改善に力を注ぐ。

 短大卒業後に入行。壼屋支店を皮切りに首里、小禄など10店舗近い営業店で経験を積んだ。顧客対応が中心の仕事は刺激が多くやりがいもあり「どんなつらいことがあってもお客さまと話すと気分が晴れた」と振り返る。一方で、子育て真っただ中の20~30代は子どもの発熱や台風時の預け先に苦労し、その都度上司や同僚の理解ある対応に救われた。「あの経験があったからこそ、今は恩返しの時だと思える。お互い支え合いながら仕事ができる環境を目指したい」と話す。

 その言葉を裏付けるように、現場ではマルチタスクをこなせる人材育成に取り組み、全部署の業務をサポートするソリューション班を手厚くするなど、フォロー体制構築に気を配る。「仕事は一人でやっているわけではない。育児に限らず、病休や介護など、いつ誰が休んでも仕事が回る体制が大切」と力を込める。

 今年は初めて、営業店勤務の行員2人が育休を経て事務集中部で復帰した。営業店と事務集中部の間には異動がほとんどないが、働き方や行員の雇用形態など異なる点が多いからこそ「現場にいい刺激になると考えた」と振り返る。想定通り、2人の働き方に触発された契約社員がステップアップを目指すなど新たな動きも出てきた。「今後は支店の顧客対応業務の一部も事務集中部で引き受けられるような仕組みを模索したい」と意気込む。現場第一線で培った経験を生かし、次の一手を模索する。

 さきま・ゆかこ 1965年生まれ、那覇市出身。1986年に琉球銀行に入行。壼屋支店や浦添支店で預金業務や貸し付け業務に携わる。首里支店で副支店長、樋川支店で支店長を歴任。その後、事務統括部での経験を経て2020年から事務集中部で部長を務める。2人の母。

■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■

 新しい年を迎えました。沖縄のビジネスシーンで活躍する女性を紹介する本企画「沖縄の輝く女性たち」は、開始から20年以上になります。男女雇用機会均等法が成立後38年が過ぎても女性管理職の割合は12.7%にとどまり、政府が2003年以降、指導的地位の女性を少なくとも30%にという目標を掲げる中、国内の女性社長の比率は1割に満たない8.2%です。そのような社会状況の中、女性リーダーの存在に注目し掘り起こす意義はいまだ大きいと考えます。生き生きと自分の道を歩む女性たちの姿は、同じ女性のみならず、先の見えない時代の中で懸命に前に進もうとするすべての人に力を与えてくれます。

 希望あふれる新年に、沖縄のビジネスシーンで活躍する女性たちを紹介します。2022年の国内の女性社長の比率(帝国データバンク調べ)を都道府県別にみると、沖縄は11.6%でトップでした。全国1位とはいえ、1割をようやく超えたところであり、女性活躍の推進はまだ道半ば。その中でも女性たちは、自分の信じた道をまい進し、飛躍に向け日々を積み重ねています。紙面を通じて女性リーダーのパワーを発信し、活躍を期待したいと思います。(企画・制作 沖縄タイムス社営業局)

生活と仕事が両立困難な時期も、支え合い業務を回し働き続けられる環境が目標

© 株式会社沖縄タイムス社