「被災地の人たち支えたい」 沖縄・名護市のタコス店 売り上げの一部を寄付

「継続的に被災地の人たちを支えていきたい」と話す「サニータコス」の大滝徹也代表(左)と熊倉絵理店長=4日、名護市旭川

 沖縄県名護市旭川の飲食店「サニータコス」が、売り上げの一部を能登半島地震被災者に寄付する活動を始めた。経営するサニーモーメント(同市)の大滝徹也代表(47)は「小さな店の取り組みが本格的な支援の呼び水になれば」と期待した。

 1日夕の閉店後、地震発生を知った。妻で店長の熊倉絵理さん(39)が新潟出身で親戚や知人も多い。2日には石川県からの観光客で「せめて沖縄にいる間は楽しみたい」と話す人たちが2組も店を訪れ、ますます人ごとと思えなくなった。従業員に相談し、阪神淡路大震災の被災体験を持つ2人も含め皆から賛同を得た。

 1日以降、主力商品のレモネード類(税別450円~)は売り上げの50%、黒糖シナモンチップス(同630円)も一部を被災地に寄付する。シナモンチップスは店頭販売のほか名護市のふるさと納税返礼品になっており、いずれの収入も支援に充てる。店には募金箱も設置した。

 大滝さんの元には、交流サイト(SNS)などを通じ、面識のない人からも「何もできない自分にモヤモヤしていた。応援したい」といったメッセージが寄せられているという。

 寄付金は1月末でいったんとりまとめるが、その後も継続する予定だ。大滝さんは「被災地の物流が回復しない中、とにかく早く支援をと思った。息長く被災した方々を支えていきたい」と話した。(北部報道部・前田高敬)

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