「支援物資が届かない」「食料や水がない」 被害は広範囲に 能登半島地震の被災地の今【取材記者の報告】

1日1日に発生した能登半島地震から5日目。被災地では懸命の救助活動が続けられています。

(夏目みな美キャスター)
被災地を取材した、CBC森本記者に話を聞きます。
まず、能登半島のどのあたりを取材したんでしょうか?

(森本琴衣記者)
私たちは地震発生後すぐに石川県に向かいました。初日(1月1日)は七尾市に午後11時頃に到着して、そこから取材をしました。

そして2日目(1月2日)は、大規模火災があった輪島市の中心部を目指したんですが、道路が寸断されていて入ることができず、2日目は南西に約20キロぐらいの場所にある門前町を取材。そして3日目(1月3日)にようやく輪島市の中心部に入れました。

(夏目キャスター)
現地の様子、現地で感じたことを教えてください。

(森本記者)
とにかく被害の大きさというものを目の当たりにしました。多くの家屋が倒壊したり、大規模な火災があったり、とにかく被害が大きく、さらにそれが広範囲に及んでいるというのを実感しました。

さらには電気や水、インフラ、携帯電話がなかなか繋がらないという状況も深刻でした。

(夏目キャスター)
道路も各地で寸断されているんですね。

(森本記者)
はい、道路の至るところに亀裂が入っていたり、崩れてしまっていたりというところが多くありました。

朝には通ることができた場所が、夕方には通れないということも多々ありました。

被災地からは「支援物資が届かない」「食料や水がない」のSOS

(夏目キャスター)
状況がそのように変わるのはなぜでしょうか?

(森本記者)
そうですね、現地では度々揺れが続いていまして、その揺れによってさらに土砂崩れが起きたり、被害が拡大しているというのがあると思います。

(夏目キャスター)
こうして道路の被害が大きいと、なかなか支援物資が届かないという状況もあり
ますよね。

(森本記者)
はい、避難所からは「支援物資が届かない」特に「食料や水がない」というSOSがたくさん聞かれました。

さらに道路が通れないとなると、消防や救急、自衛隊といった緊急車両もなかなか通れない場面も多く、道路の被害というのも一つ大きな課題だと感じました。

(夏目キャスター)
なかなか携帯の電波が届かない、途絶えてしまっているという話も先ほどありましたが、そうなると被災地の皆さんはなかなか情報にも触れられないということでしょうか。

(森本記者)
そうですね、避難所の方にお話をうかがったんですが、「食料がいつ来るのか」「そもそもそういうめどが立っているのか」とか、「インフラが回復するめどがあるのか」などの情報もなかなか入ってこないという状況でした。

(大石邦彦アンカーマン)
そうですよね、東日本大震災で取材した時に被災者の方が言っていたのは、やはり停電しているので、テレビも見られないし、当然スマホも使えないという中で、ラジオが結構頼りになったという話があったんですが、そのあたりはいかがでしたか。

(森本記者)
避難所でもたくさんラジオの音が聞こえていました。あとは誰かの携帯が繋がらないかということを皆さんで試して、何とか情報を得ようとされていました。

(夏目キャスター)
去年の5月にも、石川県珠洲市で震度6強を観測するような大きな地震がありました。

「令和6年能登半島地震エリア」 去年は241回の地震を観測

(大石アンカーマン)
実は2021年から度々地震が起きているんです。「令和6年能登半島地震エリア」で震度1以上を観測した地震の回数なんですが、2021年で70回、2022年で195回、去年は241回。そして今年になって600回近く(4日午前8時時点)ということなんですが、去年は震度6強の地震がありました。

現地の方の大きな地震への備え、意識というのはどうでしたか。

(森本記者)
大きな地震を経験しているとはいえ、「まさかこれほど被害が出るような地震になるとは」というような声がたくさん聞かれました。

(大石アンカーマン)
例えば避難リュックとか避難袋を用意していますが、皆さんはそれを持って行くことはできたんですか。

(森本記者)
最初に大きな揺れが来た時に、特に沿岸部は津波が来るからとにかく逃げろということで皆さん着の身着のまま逃げていらっしゃった方が多かったです。

(大石アンカーマン)
行動としてはそれが正解だと思うんですけども、避難袋などを持っていくためには、やっぱり押入れの中に入れておくとかでは駄目で、玄関などに置いてすぐ持ち歩けるようにしないといけないんですかね。

(森本記者)
そうですね。そのあたりの備えの難しさというのも改めてお話を聞いて実感しました。

(夏目キャスター)
私たちが備えておくべきことは、何かあるんでしょうか。

(森本記者)
そうですね。とにかく逃げる、とにかく命を守るということを第一に考えてほしいんですが、その避難した先、公民館などにたくさん備えを用意しておく、備蓄しておくということが一つ大事なのではないかと感じました。

(夏目キャスター)
個人の備え、プラス、ある程度小さなコミュニティ、自治会ですかね、町単位での備えということにもなってくるんでしょうかね。

(森本記者)
そうですね。特に石川県はとても寒かったので、毛布などの防寒具も季節に応じた備えが必要になるなと感じました。

(大石アンカーマン)
ここまでは、例年と比べてそこまで寒くないということですが、今週は特に冷え込んできそうですし、二次災害も心配です。

(夏目キャスター)
今、困難な状況にいらっしゃる被災地の皆さんのために私たちができることは何かあるんでしょうか。

(森本記者)
現地に入ってみて、現時点で道路の状況が悪いということもあって、個人で現地に行くというのはなかなか難しいかなと感じました。さらに、石川県は現在個人からの支援物資というのは受け入れが困難だとしています。

なので、今できる支援としては義援金ですとか、今後は崩れた住宅の片付けなどで人手が必要になってくると思いますので、その時に応じた支援というのを考えてほしいと思います。

(夏目キャスター)
被災地に寄り添いながら今、私たちにできることを考え続けていくことが大切ですね。

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