メルセデスAMG、史上最強の“C”こと『C63S E PERFORMANCE』にステーションワゴンを追加設定

 昨年10月に装いも新たに“ジャパンモビリティショー2023”として開催されたイベントの報道公開日に、メルセデス・ベンツのカンファレンスで発表されたシリーズ最速モデル『メルセデスAMG C63S Eパフォーマンス』にステーションワゴン版が登場。

 高性能部門メルセデスAMG社でマイスターにより組み上げられた2.0リッターの直噴ターボエンジンと、F1直系のテクノロジーを採用したプラグインハイブリッド(PHEV)を組み合わせ、そのシステム出力は500kW(680PS)に到達。また最大システムトルクは実に1020Nmを発生し、0-100km/h加速をわずか3.4秒(数値はともに欧州仕様)でこなすモンスターワゴンが、2023年12月20日より発売開始となっている。

 現行で5代目を数えるCセグメントの“メートル原器”的存在の『Cクラス』だが、その高い基本性能をベースにさらなる性能向上を狙ったのが、この『メルセデスAMG C63S Eパフォーマンス』であり、高性能プラグインハイブリッドであることを示す”E PERFORMANCE”の名を冠したモデルとなる。

 リッターあたり176kW(238PS)のパワフルな直噴ターボエンジンは、直列4気筒として初めて「One man, One engine」の主義に従い、熟練のマイスターが手作業で丹念に組み上げた『M139』を搭載。エンジン単体で最高出力350kW(476PS)、最大トルク 545Nmを発生し、F1由来となるエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用する。

 その電気モーターは厚さ約4cmで排気側タービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの間で直接ターボチャージャーの軸に一体化され、このモーターが電子制御でターボの軸を直接駆動。アイドリングスピードから全エンジン回転域にわたってレスポンスが大きく改善される。

 この電動化は低回転域のトルクを高める効果をもたらし、アジリティや発進加速性能の向上に繋がる上、つねにブースト圧を維持することができるため、速やかなレスポンスが途切れることなく得られるという。

 その上で交流同期モーターとAMG自社開発の高性能バッテリー(6.1kWh)、それにAMGのパフォーマンス志向連続トルク可変配分4輪駆動システムの “4MATIC+”を組み合わせ、定格出力80kW(約108PS)、最大10秒間のピーク出力で150kW(約205PS)の交流同期モーターはリヤアクスルに搭載する。

 ここでは通常の変速機にあたる9速のAMGスピードシフトMCTに対し、電動シフト式2速トランスミッションと電子制御式LSDとともにコンパクトなエレクトリックドライブユニット(EDU)にまとめる構成とし、これにより出力を瞬時に伝達できるうえ後輪左右へ駆動力を適正配分することが可能となっている。

“Japan Mobility Show 2023″の報道公開日に、メルセデス・ベンツのカンファレンスで発表されたセダンに続き、ワゴンボディが追加設定された
システム出力は500kW(680PS)に到達。また最大システムトルクは実に1020Nmを発生し、0-100km/h加速をわずか3.4秒(数値はともに欧州仕様)でこなす
交流同期モーターとAMG自社開発の高性能バッテリー(6.1kWh)、それにAMGのパフォーマンス志向連続トルク可変配分4輪駆動システムの “4MATIC+”を組み合わせ、定格出力80kW(約108PS)、最大10秒間のピーク出力で150kW(約205PS)の交流同期モーターはリヤアクスルに搭載する

■ベースモデルから大きく変化。筋肉質なプロポーションに

 さらにスリップ量が増えると4輪のトラクションバランスを高めるべく、モーターによる駆動力は必要に応じてフロントホイールにも伝達されるなど、重量配分の適正化とも併せて極めて効率的なシステムが構築されている。

 またF1技術に由来する容量6.1kWhのAMGハイパフォーマンスバッテリー(HPB)は、電動走行による航続距離を最大化することより速やかな充放電を行うことを重点に設計されているものの、EV走行可能距離も15km(WLTCモード一充電走行距離)と実用的なレベルを確保する。

 さらに前後トルク配分の連続可変が可能な4MATIC+に、統合型車両運動特性制御システムの“AMGダイナミクス”の機能により、ESPの制御戦略や4輪駆動、電子制御式LSDを最適化することで車両の安定性を損なうことなくアジリティを高める。そのほか、アダプティブダンピングシステムを備えたAMG RIDE CONTROLサスペンションに、後輪操舵システムの“リヤアクスルステアリング”も標準装備とした。

 エクステリアではセダン同様に筋肉質なプロポーションへと変更され、外形寸法も大幅に異なる造形に。ベースモデルから80mmワイドなフロントフェンダーやエアアウトレットを配したボンネット、ハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用のフロントグリルに、ジェットウィングデザインのAMGフロントエプロンを採用。さらに全長は80mm、ホイールベースを10mm拡大し、フロントフェンダーにはC63S E専用の“TURBO E PERFORMANCE”のサイドエンブレムが掲げられる。

 一方のインテリアもグリップが太く上質なナッパレザーを使ったAMGパフォーマンスステアリングを採用し、ステアリングを離さずにメニューやMBUXの各機能を操作できるマルチファンクションステアリング機能はもちろんのこと、AMG専用のドライブコントロールスイッチを備える。

 シートはサポート性に優れサーキットでのスポーツ走行時でも安定したドライビングポジションを維持する一方で、長時間のドライビングでも疲れにくい快適性も兼ね備えたAMG専用本革ナッパレザーのスポーツシートを標準装備に。

 さらに前席にはAMGロゴ入りのイルミネーテッドステップカバーが備わり、頭上にはパノラミックスライディングルーフを標準装備することで解放感のある室内空間を実現。左右ハンドル仕様が用意されたセダンとは異なり、右ハンドル仕様のみの展開で価格は1711万円(税込)となっている。

メルセデスコール:0120-190-610
メルセデス・ベンツ日本ウェブサイト:http://www.mercedes-benz.co.jp

グリップが太く上質なナッパレザーを使ったAMGパフォーマンスステアリングを採用し、AMG専用のドライブコントロールスイッチを備える(日本仕様は右ハンドル)
長時間のドライビングでも疲れにくい快適性も兼ね備えたAMG専用本革ナッパレザーのスポーツシートを標準装備。新デザインのAMGパフォーマンスシートをオプション設定する
AMGダイナミックセレクトにはElectric(電動)Comfort、Battery、Sport、Sport+、Race、Slippery、Individualの8つのモードが用意される

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