ミサイルも想定「おそらく着弾しても国民保護法の認定は直ちに行われない」思わぬリスクへの対応、何が必要か知事語る「地政学的リスクは国だけで対応する問題ではない」 国から地方への財政措置、厳しくなる可能性も…そこで

仕事始めの式で「リスクにも対応できる力を身に付けてほしい」と県職員に呼びかける大野元裕知事=4日午前、さいたま市浦和区

 埼玉県庁では4日、2024年の仕事始めを迎えた。さいたま市浦和区の埼玉会館では同日朝、仕事始めの式が開かれ、大野元裕知事が能登半島地震などに触れ「想像力と準備が危機管理の要諦。思わぬリスクにも対応できる力を身に付けてほしい」と職員らに呼びかけた。

 式には本庁舎に勤務する県職員のうち県幹部ら約700人が参加。埼玉栄高校チアリーディング部の演技や県立浦和第一女子高校音楽部による合唱が披露された。

 大野知事は少子高齢化などの歴史的課題に対処するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の必要性を強調。国際情勢を左右する紛争や選挙などを挙げ「国から地方への財政措置が厳しくなることもあり得る。変化からすべきことを考え先手を打たなければならない」と説いた。

 また、「地政学的リスクは国だけで対応する問題ではない」とし、ミサイル着弾などの有事を想定。「着弾してもおそらく国民保護法の認定は直ちに行われない。法的根拠やマニュアルがない中で迎えることになるので、想像力を働かせて危機に備える必要がある」と話した。

 1日に発生した能登半島地震については「一刻も早く被災地の日常が取り戻せるよう支援する」と言及。式典後、報道陣の取材に、3日に県の防災航空隊員4人を含む7人が搭乗した防災ヘリを石川県に派遣したと説明した。県内では、1日に情報連絡室が設置されたが、震度4の久喜市、加須市で被害がないことを確認し同日閉鎖されたという。

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