スパイスカレーの店続々 本州最南端の串本町や古座川町に、和歌山

「note」のバターエビカレー(右)と鹿肉キーマカレーのあいがけ=和歌山県古座川町小川で

 ルーを使わずスパイスから作る本格カレー。近年ではスパイスカレーのみを集めたイベントが開かれるほど人気がある。本州最南端の地では、移住者らが「ジビエ」「ビーガン対応」「グルテンフリー」など、個性が光るスパイスカレーが味わえる店を開いている。

 和歌山県古座川町小川に昨年9月にオープンした「木こりとめがねの店note(ノテ)」。店主の釣本美穂さんは奈良県在住。リンパマッサージ業を営む傍ら、週末はノテで料理を提供している。

 「体に関する仕事をしているので、いつか食にも関わりたいと思っていた」と釣本さん。地域に縁があり、トントン拍子に話が進んだという。

 カレーの作り方は、パートナーの親戚が営む紀美野町のカフェ「kimino’s cafe(キミノズカフェ)」で教わった。肉を塩こうじに漬けるなど独自に工夫も凝らしている。ジビエを使ったキーマカレー、子どもでも食べやすいまろやかなカレーなど5種類ほどを用意している。

 営業時間は午前11時~午後4時。営業は土日曜だが、変則営業もあるため「インスタグラム(kikori_to_megane)で確認を」。年始は6~8日に営業する。

 串本町中湊のゲストハウス「南紀くまのいえ」内にある「スパイス研究所」は、店主の平松美樹さんが本業のグラフィックデザイナーの傍ら、毎週火曜に営業している。

 観光で2016年に初めて古座を訪れ、魅力的な地域の自然にほれ込み、翌年移住した。19年にゲストハウスを開業し、21年にスパイス研究所を開業。コロナ禍だったため、初めはテイクアウト中心だった。

 食材は地元・国内産にこだわり、週替わりでビーガン向けと肉入りスペシャルカレー、定番のビーフカレーの3種を用意している。冬季は生地から手作りする「カレーまん」も人気。

 営業時間は午前11時半~午後7時。電話0735.72.6009。年始は9日から営業する。

 串本町大島にある「SPICE CURRY ROCKET(スパイスカレーロケット)」は、和歌山市出身の川村洋平さんが営んでいる。川村さんは「元々島に移住したいと思い、知人に今の場所を紹介してもらった。串本にないジャンルの店にしよう、一から作ったカレーを食べてもらいたいと思いオープンさせた」という。

 「体にいいものを」がモットー。小麦粉不使用で、無塩バターやきび砂糖など使う材料にこだわる。作り過ぎによるフードロスを減らすため、要予約制。

 人気メニューは海鮮レッドカレーやマーボーカレー。数十種類のレパートリーの中から日替わりで提供し、旬の食材を使ったカレーを出すこともある。

 営業は土~火曜の午前11時~午後2時、午後5時~8時。金曜は夜のみ営業。電話080.6143.5281。年末年始は通常通り営業の予定。時期は未定だが、今後閉店する予定という。

「スパイス研究所」のチキンと野菜のホワイトカレー、2色のヒヨコ豆チャナマサラのあいがけ(右)とカレーまん=和歌山県串本町中湊で
「SPICE CURRY ROCKET」のマーボーカレー(和歌山県串本町大島で)

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