2023年度 年末年始の鉄道利用状況をJR旅客6社が発表 能登半島地震の影響も、利用需要は回復傾向

北陸新幹線や上越新幹線で使用されるE7系・W7系(写真:ヒロキ / PIXTA)

JR旅客6社は5日、年末年始期間の鉄道利用状況を発表しました。

今年は1日に発生した能登半島地震により、北陸新幹線や上越新幹線などで運休、遅延が発生。また2日の羽田空港事故の影響で新幹線や接続する特急列車の臨時増発などが行われており、利用状況に影響を与えていますが、全体としては鉄道の利用状況はおおむね回復傾向にあるようです。

各社の利用状況を紹介します。

※年末年始期間:12月28日~1月4日、前年度比などは同日比較。 ※端数処理のため、表記上は合計や増減などが合わない場合があります。
※()内は2018年度比

JR東日本

令和6年能登半島地震の影響で上越・北陸新幹線を中心に運休が発生したものの、おおむね前年度を上回る利用状況になりました。主要16区間における期間中の新幹線・在来線の利用状況は、下りが178万人で前年度比110%(92%)、上りが162.6万人で前年度比108%(94%)。上下計340.6万人で前年度比109%(93%)です。

近距離の利用状況を見てみますと、交通系ICカードによる自動改札利用のべ人員などが4,134万人で、前年度比105%(94%)となりました。

JR西日本

令和6年能登半島地震の影響で北陸新幹線(上り)が11.8万人、前年度比99%(90%)と前年割れしたものの、全体では山陽新幹線が上下計145万人で前年度比109%(95%)、北陸新幹線が同24.1万人で前年度比101%(88%)、在来線特急が同57.9万人で前年度比108%(83%)。全体では前年度比108%(91%)と回復傾向です。

京阪神地区の券売機やICカード利用者数から、近距離券の利用も前年度比108%(105%)と増加しました。

JR東海

年末年始期間中の新幹線・特急列車利用者数は、下り170.1万人で、上り162.5万人。このうち新幹線の利用者数は上下計317.8万人で前年度比108%(101%)、在来線特急が14.8万人で前年度比107%(91%)となりました。

年末年始期間は「のぞみ」が全席指定席化しましたが、2020年に導入された「のぞみ12本ダイヤ」などの影響で本数が増えていることもあり、新幹線の利用者数は同日比較でコロナ禍前の2018年度を上回る実績となりました。

JR九州

年末年始期間中の九州新幹線(博多~熊本間)・長崎本線(鳥栖~江北間)・日豊本線(小倉~行橋間)3線区利用者数は、下りが28.3万人で112.2%(88.7%)、上りが26.3万人で111.3%(91.3%)。上下計54.6万人で前年度比111.7%(89.9%)となり、帰省・旅行などの利用需要がおおむね回復傾向にあります。

西九州新幹線は下り3.3万人で前年度比99.7%(103.1%)、上り3.1万人で前年度比99.7%(104.7%)で、ともに前年度比では微減となりましたが、かつての長崎本線諫早~長崎間の特急「かもめ」2018年度利用実績と比べて増加しています。

JR北海道

北海道新幹線はやぶさ・はやて(新青森~新函館北斗間)の本年度実績は5.2万人で、前年度比117%(99%)となりました。主な在来線特急の利用者数は合計17.2万人で前年度比110%(86%)。札幌駅や新千歳空港駅の乗降人数も前年度比110%まで伸びており、特に新千歳空港駅は2018年度比99%に達しています。

新幹線は令和6年能登半島地震の影響による遅延があったものの、おおむね良好に推移しました。前年度は大雪による特急列車の運休も多数生じていましたが、今年度の特急列車の運休は、室蘭線の踏切事故の影響による2本のみでした。

JR四国

年末年始期間中の瀬戸大橋線・主要3線区(予讃線・土讃線・高徳線)の利用状況は、瀬戸大橋線が下り10.9万人で前年度比111%(89%)、上り10.2万人で前年度比110%(91%)となり、前年度を上回りました。

主要3線区は下り5万人で前年度比104%(85%)、上り4.6万人で前年度比103%(88%)となり、こちらも回復傾向にあります。

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