北朝鮮、黄海側で砲撃 韓国軍も対抗、緊張高まる

5日、韓国・延坪島の退避所に身を寄せる住民ら(地元自治体提供・聯合=共同、画像の一部が加工されています)

 【ソウル共同】韓国軍合同参謀本部は5日、北朝鮮が同日午前9~11時(日本時間同)ごろ、黄海上の韓国領、白ニョン島と延坪島の北方で200発以上の砲撃を行ったと明らかにした。韓国が境界線と位置付ける北方限界線(NLL)の北側海域に着弾し、韓国側への被害はない。韓国軍は挑発行為だと非難し、対抗措置として同日午後、海上へ砲撃した。住民らには退避所への移動が指示され、緊張が高まった。

 韓国軍によると、北朝鮮側の砲弾が落下したのは南北が2018年の軍事合意で砲撃を禁じた緩衝区域。同様の区域への着弾は、22年12月の日本海側での砲撃以来とみられる。韓国軍は、北朝鮮が昨年11月、今後は合意に縛られないと宣言後、砲撃を再開したと見なし「朝鮮半島の平和を脅かし、緊張を高める挑発行為だ」と批判した。

 聯合ニュースによると、韓国側の砲撃は、海兵隊が両島に配備した部隊が自走砲や戦車を動員して実施した。

 一方、韓国メディアは5日、北朝鮮が破壊した南北境界区域の監視所を再建しているのを韓国軍が確認したと報じた。

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