被災地復旧や息災 牛に願い込め 備前・田倉牛神社で正月大祭

積み上がった無数の牛の置物

 備前焼の牛の置物を納める風習で知られる田倉牛神社(たくらうしがみしゃ)(備前市吉永町福満)で5日、正月の大祭が開かれた。大勢の参拝者が能登半島地震の被災地を思いやりながら、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈った。

 ご神体の牛の石像前に積み上がった置物は20万体とも30万体ともいわれ、参拝者は願いを込めて1体を持ち帰り、成就すると、もう1体追加してお返しする習わし。訪れた家族連れや友人グループは持ち寄った置物を戻して祈りをささげ、また一つ持ち帰った。

 家族で来た近くの女性(81)は「被災者は寒い中で大変だろうが、何とか乗り切って日常を取り戻してほしい。夫が病気から立ち直って元気になれるよう祈りました」と語った。

 今年の氏子代表に当たる「当屋(とうや)長」を務める北川雄太さん(35)も「被災地の一日も早い復旧のため、できる協力はしたい。今年こそコロナ禍前のにぎわいが戻る年になれば」と話した。

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