江戸城の天守閣再建へ!松沢成文参院議員と藤波辰爾がタッグ「税金使わず民間資金で」

元神奈川県知事で、日本維新の会の松沢成文参院議員(65)と、大の城マニアで知られるプロレスラーの藤波辰爾(70)が2023年12月に国会内で対談し、江戸城天守閣の再建へタッグを組んだ。

菅義偉前首相(75)が2023年11月12日放送のフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演。その際、構想に触れ、再び脚光を浴びた江戸城天守閣再建。2012年の東京都知事選立候補の際に公約のひとつとし、著書もある松沢氏は「菅さんが『再建、面白いじゃないか』って言ったら火がついた。今、運動を盛り上げるしかない」と語気を強めた。

江戸城天守閣は、1657年の明暦の大火で焼失したとされている。松沢氏は「天守閣は造らないで、町の再建に入った。そうしたら幕府の財政がどんどん厳しくなって、そのまま天守はないままで天守台だけがあるという状況が続いている」と説明した。

松沢氏は、民間資金だけで江戸城天守閣が再建できるとし「観光振興と経済活性化につながる」と主張する。天守閣復元には500億円かかると試算。「年間500万人くらい絶対来ますからね。1人1000円の入場料を取れば、10年間で500億円になるわけです。企業イメージを上げるためには、プロジェクトに寄付しますという大企業も絶対出てきますよ」と、夢プランを広げた。

一切税金は使わないと強調する松沢氏は「勘違いしちゃってるんですよね。税金を使う公共事業を、今また言うのかって。まったく誤解なんです」と力説した。

世論の高まりを目指し、マット界一の城好きとして知られる藤波に共闘を要請。千葉県内の自宅を城に建て替ることを夢想し、城がある都市に巡業で訪れる際は試合前に必ず城を訪れ闘争心を高めるという炎の飛龍は共鳴。「松沢先生が僕のところに訪ねてくれた時から運命、人生が変わった。ますます城好きに拍車がかかった」と握手を交わした。

松沢氏は「東京丸ごとテーマパーク構想」として、ドーム型に復元された東京駅の駅舎と高速道路が地下化される日本橋を挙げた。「日本橋の川の両岸を300メートルでもいいから、魚河岸を復元すればいい。昔の市場とお城、明治時代になっての東京駅。東京の歴史全体、伝統文化ゾーンがど真ん中にできるわけですよ」と提言した。

さらに「お台場にホテルに泊まった人が隅田川を上って日本橋川に入って。そうすると、江戸城のお堀に入るんです。水陸両用バスで行きは水の上から船で江戸城を見学して、そして上陸して、今度は江戸城を見学して。歌舞伎座や銀座を見て帰る。そうなると遊園地みたいじゃないですか」と声を弾ませる。

江戸城天守閣再建で、インバウンド(訪日外国人客)の盛り上がりを期待する松沢氏は「東京は一番重要な部分で、シンボルがない」と言葉に力を込めた。「東京って震災や戦争で焼け、ほとんど歴史的なものが残ってないから浅草寺ぐらいしかない。歴史的なものを見てほしかったら『京都か奈良に行ってください』だったんですけど。東京の歴史的ゾーンを復元すればいい」と想像をふくらませた。

建設費用の他に、クリアしなければいけない問題が多い。皇居内に江戸城天守閣を造ることによって、天皇陛下のプライバシーが脅かされるとの反対論もある。松沢氏は、天守台から御所まで630メートル離れているとして「私は十分、皇居の広さがあったら、天皇陛下の生活と江戸城の天守閣は両立できると思う」と述べた。

木造建築物は3階までとする建築基準法や、歴史の改ざんではないかとの指摘もある。「歴史や伝統をもう一度再認識できる、そういう価値もある。日本の伝統的な建築技術の継承ができる。宮大工を集めて、仕事をしてもらうことによって技術の継承ができる」と訴えた。

法律をクリアするためには、政治と行政のリーダーシップが必要だとする松沢氏。「やっぱり政治が将来に向けて、こういう国を創るんだという夢を提供できてない。日本再生のために、東京を再生しようと。そのためには江戸城の天守を復元して、一つの大きな弾みをつけていこうってくらいの提案を政治がしていかなきゃいけない。民間資金で江戸城再建という提案をしてますので、国民の皆さんに広めていって、日本の活力を作っていきたい」と呼びかけた。

◆現存天守 江戸時代以前に建設され、今も残る天守閣は弘前城、松本城、丸岡城、犬山城、彦根城、姫路城、松江城、備中松山城、丸亀城、伊予松山城、宇和島城、高知城の12城

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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