【Jr.ウインターカップ2023-24】3回戦進出の男子・石川県代表Jamaney Youth。『まだいけるよ。絶対に諦めちゃだめ』のかけ声が引き寄せた劇的勝利

「今年のチームはより一層、チームの絆は強いのかなって思います」

U15世代の頂点を決めるJr.ウインターカップ。2日目の1月5日、男子2回戦では石川県代表のJamaney Youthと愛知県代表の名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15(以下、名古屋)が対戦した。

試合は#5長澤龍未、#17小笠原和真らを中心に得点を積み重ねた名古屋が優勢に進め、3Qを終えて52‐39とリード。しかし、ここからJamaney Youthの反撃が始まる。最終4Qは名古屋#91村上航清のゴールでスタートしたが、この後、#11片岸将人の3Pを起点に、#1水口朔太郎、#2京平悠玖、#10眞藤翔太、再び水口による連続得点で、2分あまりの間に50‐54とJamaney Youthが一気にその差を詰める。追い上げられた名古屋も小笠原をはじめ各選手が踏ん張りを見せるが、Jamaney Youthの勢いはそれを上回り、水口、京平による連続得点で、残り時間54秒でついに57‐57の同点に追い付き、決着は3分間の延長戦に持ち込まれた。

その延長戦でも水口のシュートで先手を切ったのはJamaney Youthだったが、名古屋も小笠原がフリースロー2本を確実に決めて譲らない。さらに、Jamaney Youth#8池田優羽斗、名古屋の長澤の3Pが交互に決まり、会場の熱気は最高潮に。しかしこの直後、残り41秒で池田が再び射抜いた3Pにより、Jamaney Youthが65‐62と一歩リード。名古屋も相手ファウルで得たフリースロー2本を小笠原がきっちり決めて1点差に迫るが、Jamaney Youthは残り0.4秒で水口のフリースローでさらに1点を加え、66‐64で劇的な逆転勝利を飾った。

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Jamaney Youthのキャプテン京平は4Qに入る前、「そこまではあまり自分たちのバスケができてなくて、その上での点差だったので、『まだいけるよ。絶対に諦めちゃだめ』とチームの中で声を掛け合いました」と振り返る。できていなかった“自分たちのバスケ”とは、「パスを回しながら、自分たちの強みである“ズレ”ができたときに攻めるバスケット。それが1対1ばかりになってしまい、チャンスを生かしていませんでした」。そうした自分たちの強みを改めて確認しつつ、「声を出しながら、できることを貫きました」と勝利を手繰り寄せた要因を語る。

Jamaney Youthの特色を「チームの仲の良さ」と語る京平。「去年も自分は2年生で出させてもらったのですが、今年のチームはより一層、チームの絆は強いのかなって思います」と誇らしげに笑顔を見せた。

6日の3回戦では京都精華学園と対戦する。「昨日(1回戦で鳥取県代表のSuper Wavesに69‐63)も今日も延長戦で勝ってきたので、相手チームの悔しさも胸に…特にダイヤモンドドルフィンズさんはこれまで何回も練習試合をさせてもらっている仲なので、その分も自分たちがしっかり戦いたい」と強い気持ちを言葉にした。

これまで練習試合を重ね交流の深い名古屋ダイヤモンドドルフィンズの思いも胸に3回戦に臨む

チームを指揮した森田智大コーチは、「試合の中での成長というのも今大会の課題に挙げていました。正直、石川県がたいへんな状況にある中で、バスケットをしていていいのかという迷いもありましたが、しかし、せっかく行かせていただくのならば、強い相手といいゲームをして、1日1日を大事に過ごして、うまくなって帰ろうと子どもたちには話していました」と語り、「ここに来ることができただけでも感謝ですが、今日のゲームではそんな自分たちの思いを体現できたのかなと思います」と、選手たちとともに様々な葛藤を胸に抱きながら過ごしてきたここまでの時間を、慈しむように振り返った。

京王 Jr.ウインターカップ2023-24
大会正式名称:2023年度第4回全国U15バスケットボール選手権大会/U15 JAPAN BASKETBALL CHAMPIONSHIP
■開催期日:2024年1月4日(木)〜8日(月・祝)
■会場:武蔵野の森総合スポーツプラザ (東京都調布市西町290-11)
■出場校:男女各52チーム、計104チーム (予定)
■大会方式:トーナメント戦によるノックアウト方式
■放送・配信:試合ライブ配信予定、バスケットLIVE:https://stn.mb.softbank.jp/y1j4h

取材・文/村山純一(月刊バスケットボール) 写真/JBA

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