スター候補生インタビュー(5) バレーボール 森田元希(日本体育大4年、大分南高卒)「地元選手として大分を盛り上げたい」 【大分県】

大分南高が初めて春の高校バレーに出場したときのキャプテンは、大学バレーボールの強豪校、日本体育大に進学し、荒波にもまれながら成長を遂げた。昨年は関東大学1部の春季、秋季リーグで、守りのスペシャリストとして奮闘し、両リーグでの準優勝に貢献した。11月には、バレーボールのVリーグ2部(V2)、大分三好ヴァイセアドラーへの加入が決まり、待望の「地元選手」として期待が高まる。年末からヴァイセアドラーの練習に合流しており、今月13日にあるV2でデビューの可能性もある。

Q:大分三好ヴァイセアドラーへの加入が決まりましたが、率直な感想は?

次のステージでもバレーができるうれしさを感じています。昨年の夏に練習に参加し、トライアウトを受けたのですが、その前から、地元が大分なので、ヴァイセアドラーでプレーしたいという思いはありました。V2の他のチームからもオファーの話があったみたいですが、大学の監督から「地元でバレーを盛り上げてみろ」と言われ、大分でプレーすることを決めました。

Q:ヴァイセアドラーにとっては久しぶりの地元選手の加入です。大卒ルーキーに背番号1を与えたことからも期待の高さがうかがえます。

大分出身選手としてのプレッシャーは感じています。緊張するタイプなので(笑)。ただ、自分はバレーをしているときが何よりも楽しいので、誰よりも楽しみたい。小・中学生、高校生たちにかっこいいプレーを見せて、「頑張ればここでプレーできる」ということを示したいです。

大学でリベロとしてのプレーの幅を広げた

Q:春の高校バレーに出場しましたが、全国では無名。レベルの高い日体大でレギュラーに定着するまで苦労したと思いますが、大学4年間で成長できたことは?

入学した当初は、他の部員の名前が全国区で、「スゲー」と思っていましたが、それでも変に自信はあったし、すぐに試合に出られると思っていました。ただ、実力差は歴然で鼻をへし折られました。さらに1年目はコロナ禍だったので、自主練習と球拾いしかボールを触る時間がなく、そこで一度挫折しました。それでも、毎日レベルの高い選手たちと一緒に練習していると、おのずとレベルも上がりました。少しずつ力をつけ、試合に出られるようになったのですが、毎年実力のある下級生が入ってきます。「後輩には絶対負けたくない」と火がつき、そこから誰よりも練習をしました。特にサーブレシーブには力を入れました。セッターが一歩も動かずトスを上げられるよう、完璧にレシーブを返すため、毎日300本はサーブを受けていました。

Q:どの時点から「上のカテゴリーで勝負ができる」と思えたのですか?

3年の時にある程度レギュラーに定着して、関東リーグでも上位争いができるようになり、自信がつきました。高校まで体が細かったのですが、大学では週3でウエートトレーニングをし、気づいたら62kgから70kgぐらいまで増量して、体が大きくなりました。相手にパワー負けすることもなくなったし、アジリティー(敏しょう性)も上がりました。大学の監督が元日本代表のリベロだったこともあり、基礎基本を徹底的にたたき込まれ、技術面では、周りを動かすことで守れる範囲が広がりました。

Q:2024年はどんな年にしたいですか?

リベロなので点は取れませんが、それ以外のところでチームに必要と言われる存在になりたいです。プレーでチームの勝利に貢献することは当たり前ですが、声かけや振る舞いでもチームの柱になれるような選手を目指します。僕は「ガッツ系」の選手。コート外に走り出て体を投げ出し、ボールをつなぎ、オーバーアクションで会場を沸かせたいです。それは意識しています。

「気持ちのこもったプレーで会場を盛り上げたい」と語った

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS