ダカールラリー2024開幕! アウディ駆るエクストロームがプロローグを制す。2番手はトヨタのキンテロ

 1月5日、中東のサウジアラビアで第46回ダカールラリーが開幕。初日のプロローグランをチーム・アウディスポーツのマティアス・エクストローム(アウディRS Q e-tron E2)が制した。元DTMドイツ・ツーリングカー選手権“2冠王者”であるエクストロームのステージ優勝は通算3度目だ。

 年明けから5日後、サウジアラビア北西部のアル・ウラでスタートのときを迎えた2024年のダカールラリーは、これより1月19日(金)までの2週間にわたってW2RC世界ラリーレイド選手権の開幕戦として行われる。この間、選手たちはおよそ8000kmの旅をしながら合計4700kmを超えるスペシャルステージでタイムを競い合う。

 彼らの当面のターゲットは13日(土)に首都リヤドで迎える休息日だが、その直前には今大会から新たに設けられたマラソンステージ“48時間クロノ”が待ち受ける。このステージは南東部に広がる“エンプティ・クォーター”と呼ばれる世界最大級の砂漠地帯を舞台に、外部の手助けなしにクルーのみの努力で走り切ることが求められるもので、ラリー前半戦の山場となることが予想される。

W2RC世界ラリー選手権の2024年シーズン開幕戦として行われる第46回ダカールラリー2024のルート

 そんなダカールラリー2024の初日はアル・ウラを中心にスペシャル27km、リエゾン(移動区間)130km、計157kmからなるプロローグランが実施された。結果が総合のランキングには含まれず6日(土)に行われるステージ1の出走順を決定するための同ステージで速さを見せたのは、アウディ勢で前回大会を唯一完走したエクストロームだった。

 その2023年大会でリタイアを喫した後、今年自身35回めとなるダカールラリー参戦を果たした大ベテランのステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron E2)はチームメイトから45秒遅れて7番手に。同じくベテランのカルロス・サインツ(アウディRS Q e-tron E2)はエクストロームから2分以上の後れを取り48番手に沈んだ。

 反対にトップタイムを記録したアウディのドライバーにもっとも近づいたのは、2023年のW2RC・T3クラスチャンピオンでTOYOTA GAZOO Racingからアルティメットクラスに初挑戦するセス・キンテロ(トヨタGRダカールハイラックス・エボT1U)。その差は23秒だった。

 21歳のアメリカ人の15秒後方では、4番手マルコス・バウムガルト(Xラリー/プロドライブ・ハンター)と同タイムで並んだセバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム/プロドライブ・ハンター)がトップ3に入った。プロドライブのマシンはXラリーのクリスチャン・バウムガルドも5番手に押し上げた一方、トヨタを離れ自チーム“ナッサー・レーシング”のハンターを駆る前年覇者ナッサー・アル-アティヤのもとでは出走順を選択できるトップ10に入ることができず、ステージ12番手にとどまっている。

ナッサー・アル-アティヤ(プロドライブ・ハンター) ダカールラリー2024
ステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron E2) ダカールラリー2024
セス・キンテロ(トヨタGRダカールハイラックス・エボT1U) ダカールラリー2024

■ワークス初参戦のフォードは17番手の船出

 過去最大規模となるトヨタGRダカールハイラックス・エボT1Uの5台体制を敷くTOYOTA GAZOO Racingは、レッドブルカラーのマシンを駆るルーカス・モラエスが16番手、マットブラックの新GRカラーのマシンに乗り込むサオード・ヴァリアワが26番手、同ガイ・ボッテリルが47番手。優勝経験者であるベテランのジニエル・ド・ヴィリエールは69番手だ。

 ワークスチームとしてはダカールラリー初参戦となるフォード。その実働部隊として動くMスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのフォード・レンジャーT1+は、膀胱がんから復帰したナニ・ロマのドライブで最初のステージを17番手タイムでクリア。チームメイトでダカール・ルーキーのギャレス・ウールリッジは42番手タイムで初日の短いステージを走破した。

 四輪市販車部門で11連覇を狙うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、唯一のライバルであるイブラヒム・アルマナ(ニッサン・パトロール)を抑えて同部門のワン・ツーを形成。初日のショートステージでは三浦昂(トヨタ・ランドクルーザーGRスポーツ)が四輪の総合154番手、チームメイトで前年のクラス覇者であるロナルド・バソ(トヨタ・ランドクルーザーGRスポーツ)は163番手となった。トラック部門に参戦している日野チームスガワラの菅原照仁(日野600シリーズ)は部門総合15番手だ。

 四輪の各カテゴリーとは異なり5日(金)のプロローグのタイムも総合順位に反映される二輪部門では、モンスターエナジー・ホンダ・チームのトーシャ・シャレイナ(ホンダCRF450ラリー)がトップタイムをマークして暫定首位に。12秒遅れてダニエル・サンダース(レッドブル・GASGASファクトリー・レーシング/GASGAS 450ラリー・ファクトリー)が2番手、トップと19秒差の3番手にはロス・ブランチ(ヒーロー・モータースポーツ・チーム・ラリー/ヒーロー450ラリー)が入っている。

トーシャ・シャレイナ(ホンダCRF450ラリー) ダカールラリー2024
ダニエル・サンダース(GASGAS 450ラリー・ファクトリー) ダカールラリー2024
ナニ・ロマ(フォード・レンジャーT1+) ダカールラリー2024
セバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター) ダカールラリー2024

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