安全確保、早い復旧を 土砂崩れ津波被害 花角知事が視察 上越市

被災した「なおえつ浜茶屋組合」の桑原組合長が花角知事に被災状況を説明

1日の能登半島地震で被災した上越市茶屋ケ原の国道8号、なおえつ海水浴場ほかで本格的な復旧作業が行われている。5日、花角英世知事が同市内の被災現場を視察した。中川幹太市長、地元選出の国会議員、県議会議員も同行し、県職員らから説明を受けた。

国土交通省高田河川国道事務所によると、茶屋ケ原の国道8号は高さ55メートル、幅80メートルにわたって土砂崩れが起き、流出した土砂は1万6000立方メートルと推計されている。花角知事は「安全をしっかり確保しながら、(管理者の国に対し)一日も早い復旧をお願いしたい」と話した。

花角知事は津波の被害を受けた、なおえつ海水浴場周辺も視察。なおえつ浜茶屋組合の桑原尚二組合長とも言葉を交わした。桑原組合長によると、組合全体での被害額は建物のほか道具や冷蔵庫など合わせて1億円近くに上るという。「使える木材やトタン板は再利用したいと考えているが、どれだけのものが使えるかと言われると、なんとも言えない。夏の浜茶屋は春の高田城址公園の桜と並んで、上越の観光コンテンツの一つだと思っている。県や上越市には、何らかの形で支援してもらえたらうれしい」と話していた。

花角知事は「地域にとって重要な観光資源。夏に向けどう再開できるか、上越市と相談しながら進めたい」とした。ほかに津波が遡上(そじょう)した関川河口、直江津港を視察。「港湾は(港湾管理者の)県で復旧作業を進めるが、国からどういう形で支援を得られるか、県選出の国会議員とも相談しながら進めたい」と話した。

国による復旧工事が進む上越市茶屋ケ原の国道8号(県提供)

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