埼玉は強い県、大宮は上越・北陸新幹線の要衝 多彩な業種、ソフト、ハード面で力あり 隅々まで結束し、豊かな埼玉づくりへ 賀詞交換会に各界900人 想定外の出来事への対応、知事が語ったポイントは

清水勇人さいたま市長の発声で乾杯する参加者=5日、さいたま市大宮区のパレスホテル大宮

 新春恒例の「豊かな埼玉をつくる県民の集い―2024新年賀詞交換会」(埼玉新聞社主催)が5日、埼玉県さいたま市大宮区のパレスホテル大宮で開かれ、県内の政財界や文化・スポーツ関係者ら約900人が新年の幕開けを祝った。会の冒頭に、1日に発生した能登半島地震の犠牲者らに黙とうをささげた。命を守る防災対策への意識が高まる中、各界のリーダーたちが郷土のさらなる発展に向けて協力を誓った。

 発起人代表としてあいさつした大野元裕知事は「私たちは超少子高齢化、自然災害やパンデミックへの危機管理対応に直面している。県のみならず、日本全体が安心して暮らしていける社会を築く。危機管理には準備と想像力が必要。想定しえない危機が起こりつつある中で、想像力を働かせていくためには正しい情報が必要」と力を込めた。

 立石泰広県議会議長は「昨年9月の県内一斉防災訓練に59万4千人が参加していただいた。これからも県民の防災意識向上に努めたい。新1万円札の肖像になる渋沢栄一翁の『できるだけ多くの人に、できるだけ多くの幸福を与えるように行動する』という言葉を胸に、一人でも多くの県民の幸福のために力を合わせたい」と語った。

 続いて県内選出の国会議員が登壇。自民党県連会長の柴山昌彦衆院議員(埼玉8区)は「大宮は上越・北陸新幹線の要衝。埼玉と被災地を結ぶ復興支援を進めたい。渋沢栄一翁も関東大震災のとき、国や地域の未来を案じた。結束して豊かな埼玉をつくっていこうではありませんか」と呼びかけた。

 立憲民主党県連代表の小宮山泰子衆院議員(比例北関東)は「埼玉は災害に強い県。業種が多彩であり、ソフト、ハード面でも力のある県が埼玉。辰(たつ)年の意味するところは想像力や知恵を働かせる、繁栄の象徴。多くの方が飛び立てる土台をつくるために頑張りたい」と誓った。

 その後は県内の市町村長が登壇し、県市長会の会長を務める朝霞市の富岡勝則市長は「市長会としてしっかり災害対応に取り組んでいきたい。それぞれ地域の特長ある記事を書いていただいている埼玉新聞には県内市町村の隅々までPRしていただきたい」とあいさつ。県町村会会長の井上健次毛呂山町長は「高齢化の中で地域の特産品をどうやって守っていくのか、記事に書かれていて心強く思った。首長が団結して埼玉を守っていく」とアピールした。

 埼玉新聞社の関根正昌社長は「惨状を目の当たりにして自然災害の恐ろしさを痛感した。人間にできることは全てやると覚悟を決め、その矜持(きょうじ)で対応していきたい。埼玉県はそのポテンシャルを一番持っている」と述べた。

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