72時間後救出「奇跡的」 80代女性、次男が守ったか

能登半島地震の緊急消防援助隊の第1陣として派遣され、帰還した大阪市消防局の隊員ら=6日午前、大阪府内

 能登半島地震で石川県輪島市の倒壊住宅から80代女性を救出した大阪市消防局の隊員らが6日、大阪府内で記者団の取材に応じ、生存率が大幅に下がるとされる発生72時間の経過後となった当時の様子を「奇跡的だった」と振り返った。近くでは50代の次男が亡くなっていたといい、母親を守ろうとしたのではないかとの見方も示した。

 活動を指揮した市消防局の田中真也救助隊長(45)によると、2階建て住宅の1階部分がつぶれ、人が取り残されているとの情報があった。2階の床を取り除くと、梁の下敷きになった次男を発見。反応はなかったものの、不明者は2人との情報もあり、呼びかけたところうめき声が聞こえた。

 家財道具をどけると、うつぶせになった女性の頭が見え、隊員が手を握ると握り返した。女性は地震発生から72時間を過ぎた直後の4日午後4時半ごろに救出され、病院に搬送された。

 2人が見つかったのは女性の部屋だったとみられ、田中隊長は「次男が助けに向かったのではないか」と述べた。

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