暖冬による雪不足の影響で、青森県内のスキー場は頭を悩ませている。例年はスキーヤーでにぎわうこの時期だが、今冬は多くのスキー場が滑走コースを制限して営業。中には、いまだオープンできずにいるところもあり、関係者は「かき入れ時なのに…」と嘆く。県スキー連盟は今月開催予定だった大会の会場を変更するなど、スキー競技への影響も出始めた。
大鰐町の大鰐温泉スキー場の平均積雪は、5日朝の時点でわずか5センチ。オープンの目安である積雪50センチには遠く及ばず、コースは地肌がむき出しになっているところが目立つ。同日時点で、昨年12月16日のスキー場開きから数えて21日連続で営業できていない状態だ。渡邊時則支配人は「これほどの少雪は過去十数年で例がない」とし、いまだオープンのめどは立っていない。
県スキー連盟は5日、同スキー場で11~13日に開催予定だった県中学校・高校スキー大会の会場変更を発表。距離競技は弘前市の岩木青少年スポーツセンター、アルペン競技は青森市の八甲田国際スキー場で行う。渡邊支配人は「大会のキャンセルが続くと宿泊にも響く恐れがある。雪が降らないと地域が潤わない」と肩を落とした。
鯵ケ沢町の青森スプリング・スキーリゾートでは、全22コースのうち10コースの滑走を制限。昨年1月に130センチあった積雪は今年、5日現在で75センチ。中村彰子・ゴルフフロントアシスタントマネジャーは「最近は雨続きで新雪が降っていない」といい、「ある程度のコースで滑走できる状態だが、例年のふかふかの雪に比べると、滑り心地は全然違う」と語った。
キッズゲレンデのみオープンしている青森市のモヤヒルズでは、新型コロナが5類に移行して初のシーズンを迎えただけに、集客の期待が外れた格好だ。
青森地方気象台によると5日現在の県内の積雪は、山間部を除き青森5センチ、ほとんどが0センチとなっている。今週末からは冬型の気圧配置となり雪予報だが、今後1カ月は平年より気温が高く、降雪も少ない見通し。