「ザ・セントリー」で実戦デビュー 2本のスコッティキャメロンプロトタイプパター

実戦投入されたスコッティキャメロンの新パター。左がトム・キム、右がキャメロン・ヤングのもの(提供:GolfWRX)

「ザ・セントリー」でフェデックスカップの2024年シーズンをスタートさせたトム・キム(韓国)とキャメロン・ヤングが、それぞれ新しいスコッティキャメロンのプロトタイプパターを実戦投入した。

パターはキムがブレード型、ヤングがマレット型であるため、この新しい2本のヘッドは特徴がかなり異なるが、どちらも明らかに独自性を持っているという点では共通している。以下は、2本のヘッドの違いと、そしてなぜ実戦デビューさせたかについてのまとめである。

トム・キムのスコッティキャメロン ツアータイプGSSプロト

2022年撮影のGSSプロトタイプにはティファニーブルーの刻印が(提供:GolfWRX)

キムが自身の好みに合わせてカスタマイズされた、人目を引くスコッティキャメロンのブレードパターを使用するのは、これが初めてのことではない。例えば、GolfWRX.comは2022年に、ティファニーブルーの刻印が施されたスコッティキャメロンGSSプロトを写真に収めている。

トム・キムの新パターはブレード型のGSSプロトタイプ(提供:GolfWRX)

今週の「ザ・セントリー」でキムは、スコッティキャメロンでフィッティングと選手開発のディレクターを務めるポール・ビザンコと緊密に連携して特別に誂えたGSSプロトのヘッドを投入。最も目を引くのは、ミルドフェースのソールとヒール部分に配された、韓国国旗の色合いとリミックスした同社の“サークルT”ロゴである。

これまでとの違いは装飾的なものだけではなく、シャフトはUSTマミヤ製の新しいスコッティキャメロン“エクスペリメンタルプロトタイプ”になる。

新パターのシャフトはUSTマミヤ製(提供:GolfWRX)

キムは「ザ・セントリー」開幕前日に「デザインはかなり独特で、同じヘッドですが、これまでよりかなりディテールにこだわっています。僕は何週間か前に(スコッティキャメロンの)チーム全員とサンディエゴにいて、ポール(ビザンコ)に自分が真に欲しているものを伝えて、彼はそのために役立つと思う物をいくつか提案してくれました。僕は完全に同意して、彼、パッティングコーチと一緒に全てを試してみました。見ての通り、シャフトも新しくなりました。数字は変わりませんでしたが、狙いやセットアップが良くなり、実戦投入に迷いはありませんでした」と述べた。

キャメロン・ヤングのスコッティキャメロンT-5ツアーオンリー プロトタイプ

ヤングのT-5 ツアーオンリープロトタイプ。左が2022年撮影で右が新パター(提供:GolfWRX)

ヤングはデュアルウィング形状が特徴的なマレット型のスコッティキャメロンT-5ツアーオンリーパターを熟知している。もう何年もこのスタイルを使用しているからだ。

しかし、ヤングの新しいT-5パターは、ヘッド形状、パター設計の角度がアドレスでのボールに対する構えにどう役立つのかという点で、大改造が施されたようだ。

比較写真3点は、2022年「フェデックスセントジュード選手権」と2024年の「ザ・セントリー」でのT-5パターを比べたものである。

ヤングによると、新しいパターを手にしたのは、ほんの1週間前。大まかな形状とパフォーマンスは以前のT-5ヘッドとかなり似ているが、全体的にコンパクト化されたシルエットと新しい角のある形状が向上につながったことでスムーズに変更できたという。

以前のT5プロトタイプ同様、新バージョンもナックルネック構造となっており、これが狙い通りのトウハングを実現し、インパクト時のフェースのリリースを適正にしている。

まさに新年の幕開けを飾るに相応しい新スコッティキャメロン、ということである。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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