海保機、日航機に気付かず進入か 着陸の認識なし、羽田衝突事故

羽田空港の滑走路で進む日航機の撤去作業=6日午後

 羽田空港で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、海保機の機長が着陸しようとしている日航機と管制官とのやりとりを把握していなかった可能性があることが6日、国土交通省への取材で分かった。海保機は日航機が着陸許可を受けて近づいていることに気付かないまま、滑走路に進入したとみられる。

 国交省によると、離陸機は滑走路への移動経路や待機場所を指示する「地上管制(グランド)」の指示を受けて走行。滑走路が近づくと交信相手を「飛行場管制(タワー)」に切り替え、指示を受けて滑走路に進入し離陸する。着陸機も滑走路が近づくとタワーと交信する。

 離陸機と着陸機でタワーとの交信に使う無線の周波数は同じだが、グランドとは異なる。海保機はタワーと交信する直前まで周波数をグランドに合わせていたとみられ、直前に日航機がタワーから着陸を許可され復唱するやりとりを聞いていなかった可能性がある。

 国交省の担当者は「運輸安全委員会の今後の調査に委ねる」としている。

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