らしくない幕切れ…大村工8強ならず 全日本バレー高校選手権

【男子3回戦、福井工大福井―大村工】試合後、整列して応援団にあいさつする大村工の選手たち=東京体育館

 バレーボールの第76回全日本高校選手権(春高)第3日は6日、東京体育館で男女の3回戦と準々決勝が行われ、長崎県勢は男子の大村工が3回戦で第3シードの福井工大福井に0-2で敗れて8強を逃した。
 大村工は第1セット、OP横山、OH宮原らの強打、MB安元のフェイントなどで健闘。中盤まで11-11で粘ったが、その後は福井工大福井の左右の主力を止められず、センター線からも要所で決められて18-25で落とした。第2セットも4連続失点でスタート。エース土井が前後から打ち込んで意地を見せたものの、最後まで流れを取り戻せずに18-25で押し切られた。
 男子は駿台学園(東京)、昇陽(大阪)、福井工大福井、鎮西(熊本)が準決勝へ進出。女子は就実(岡山)、下北沢成徳(東京)、誠英(山口)、旭川実(北海道)が4強入りした。
 第4日は7日、同体育館で男女の準決勝を実施する。

◎高い攻撃力に対応できず

 昨夏のインターハイ4強チームの高い攻撃力に屈した。男子の大村工は3回戦で福井工大福井にストレート負け。洛南(京都)との激戦を制した2回戦とは一変、流れが悪いまま失点を重ねた。主将のエース土井は「相手は普段通り。自分たちがヤマを越えた後、締めなきゃいけない試合を締めきれずに負けた」と悔しさをにじませた。
 ブロックが高く、レシーブの位置を下げてきた相手に対し、第1セット前半はフェイントやプッシュ、セッター富永誠のツーアタックで食らいついた。ただ、連係や判断のミスが相次いでリズムが悪かった。左右の強打を印象づけながらMB陣を生かす多彩な攻めに苦しみ、ブロックを修正した第2セットも調子は上向かなかった。
 頼みの土井は随所で存在感を示したものの「ちょっと限界で、気持ちが届かなかった」。試合前に右太ももを肉離れし、テーピングで固めて跳んだスパイクは要所で止められた。終盤はふわりと上がったボールをお見合いして自陣中央に落として24点目を献上。最後は必死にレシーブに飛び込んだ土井の手の先にボールが落ちた。らしくなかった。
 4強が進むセンターコートには今年も立てなかった。だが、昨夏と秋の全国トーナメントで一つも勝ち上がれなかったチームは、厳しい組み合わせの中で躍動し、何度も東京体育館を沸かせた。
 「最後に懸ける思いが強く、特にこの2カ月はそれまでの1年分以上の成長を見せてくれた。子どもたちに教えられた。勝たせてやれずに申し訳ない」。試合後、自らを責めた朝長監督の言葉は、教え子たちへの感謝でいっぱいだった。

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