菅井八段、藤井王将と探り合い 栃木で王将戦7番勝負第1局初日

王将戦7番勝負第1局で初手を指す菅井八段=7日午前9時、栃木県大田原市(日本将棋連盟提供)

 将棋の菅井竜也八段(31)=岡山市=が、藤井聡太王将(21)=竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・棋聖との八冠=に挑む第73期王将戦7番勝負の第1局が7日、栃木県大田原市のホテル花月で始まった。初日は互いに出方を探り合う慎重な指し回しが続き、菅井八段が53手目を封じた。

 振り駒で先手となった菅井八段は7筋に飛車を振った上で自玉を固める「三間飛車穴熊」を選択。居飛車に構えた藤井王将も玉を囲い、「相穴熊」の持久戦模様の展開に。午後からも、互いに時間を使いながら慎重に駒組みを進め、一時は(同一手順を繰り返して指し直しとなる)千日手も視野に入る難解な局面が続いた。

 夕方、菅井八段が1時間を超える長考に入り、午後6時過ぎにそのまま封じ手とし、形勢はほぼ互角のまま1日目を終えた。両者の駒はまだ一度もぶつかっておらず、2日目の再開後に、どこから戦いが始まるか、目の離せない展開となりそうだ。

 王将戦7番勝負は2日制で、持ち時間各8時間。残り時間は菅井八段4時間4分、藤井王将4時間21分。2日は午前9時に封じ手を開いて再開。夜までに決着がつく見込み。

菅井八段の午前のおやつ、コーヒーと緑茶=日本将棋連盟提供
藤井王将の午前のおやつ、自家製栗ようかんと抹茶セット=日本将棋連盟提供
第1局が指されるホテル花月は、王将戦の定番会場の一つ。ロビーには過去の対局の写真や訪れた棋士たちの色紙、揮ごう扇子などが飾られている
第1局会場のホテル花月。1級河川・那珂川に面した眺望が自慢という
菅井八段の1日目の昼食「うな重(地元育ちのウナギ)」=日本将棋連盟提供
藤井王将の1日目の昼食「与一和牛カレー・スペシャル」=日本将棋連盟提供
菅井八段の1日目の午後のおやつ、「地産フルーツの盛り合わせ」と「とちあいかで作った苺ジュース」「アイスコーヒー」=日本将棋連盟提供
藤井王将の1日目の午後のおやつ、「ガトーショコラ」と「とちあいかで作った苺ジュース」=日本将棋連盟提供
ホテル花月の2階レストランから見た夕暮れの那珂川

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