院展の見どころ 同人・井手氏解説 岡山会場でギャラリートーク

 現代日本画の秀作59点を並べ、岡山市北区表町の天満屋岡山店6階葦川(いせん)会館で開催中の「院展」岡山会場(山陽新聞社など主催)で7日、日本美術院同人の井手康人氏(61)=瀬戸内市=がギャラリートークし、黄金に輝く霊峰を表した自作「不二」などの見どころを解説した。

 インドネシア・バリ島を長年題材にしてきた井手氏は、新型コロナウイルス禍を機に国内へ目を向けるようになったといい、「身の回りには神の恵みがあり、富士はその象徴」と説明。「今あるものを大切に過ごしたいという願いを込め、永遠の存在である富士の背景に一瞬の命を意味する花を敷き詰めた」と話した。

 気鋭の出品作も紹介。伝統的な技法「墨流し」を使った木下千春さんの「木魂(こだま)」は「自分の意思だけでは操れない模様をうまく配置している」、澁澤星さんの「直感」には「欧州の絵画も思わせる雰囲気」と評した。

 岡山市中区の男性(70)は「作品への思いや技法について幅広く知ることができ、勉強になった」と話した。

 「院展」岡山会場は14日まで。ギャラリートークは8、13、14日も午後1時と2時半に行う。

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