大人の自覚新た 20歳祝う式典 岡山、広島 地震犠牲者悼む姿も

参加者が4年ぶりに一堂に会した岡山市の式典

 岡山、倉敷、津山、福山市などで7日、20歳を祝う式典が開かれた。新型コロナウイルスの5類移行を受け、前年までの分散開催をやめるなどコロナ禍以前の形に戻すところもあり、会場に集まった多くの若者たちが大人としての自覚を新たにした。石川県能登地方を震源とする地震の犠牲者を悼む姿も見られた。

岡山市 夢に向かい前進

 岡山市の「二十歳の集い」(実行委など主催)は、シティライトスタジアム(同市北区いずみ町)で開かれた。前年まではコロナの感染対策として参加者を入れ替える2部制としていたが、一堂に会する1部制に4年ぶりに戻した。

 対象者7356人のうち2778人が参加。大森雅夫市長が同市北区足守地区出身の蘭学者・緒方洪庵(1810~63年)の生涯を紹介し「人のために生きた人物。その考えを皆さんも大切にしてほしい」とエールを送った。

 アトラクションでは、市内の中学校数などを問う全員参加型のクイズを実施。同級生と久々に再会した参加者は談笑し、記念撮影をして旧交を温めた。

 山陽学園短大2年赤木利帆さん(20)は「4月から夢だった保育士になる。子どもたちが安全に楽しく過ごせるよう、しっかり寄り添いたい」と張り切っていた。

倉敷市 地域に恩返しを

 倉敷市の「二十歳の集い」(実行委、市、市教委主催)は倉敷マスカットスタジアム(同市中庄)で開催され、振り袖やスーツ姿の約3千人が門出を喜び合った。

 スタンドの参加者のかけ声を合図に、開幕を告げる金色のテープをグラウンドに発射。能登半島地震の犠牲者に黙とうをささげた後、伊東香織市長が「社会を元気にすることが皆さんの役割。活躍を大いに期待している」と激励した。

 式典後は会場を訪れた中学校の恩師と思い出話に花を咲かせたり、友人たちと記念撮影したりした。

 実行委員長のくらしき作陽大2年坂本京介さん(19)は「多くの人のおかげでこの日を迎えることができた。大学で学んでいる音楽で地域に恩返ししたい」と話していた。

津山市 芯のある大人に

 津山市の「二十歳を祝う会」(市、市教委、会実行委主催)は同市山下の津山文化センターで開かれ、節目を迎えた779人(対象975人)が参加した。

 谷口圭三市長が「人生の目標を定め、高い志を持って挑戦して」と激励。代表の関西学院大2年苅田明佳里さん(20)が「可能性を広げ、打たれ強く芯のある大人になりたい」、奈良教育大2年松川実菜未さん(20)は「誰かの支えになるような社会人を目指して日々精進する」と誓った。

 会場には再会を喜び、近況を報告し合う多くの笑顔があふれた。神戸大2年森本真生さん(20)は「家族や地域に感謝の気持ちでいっぱい。将来は津山に帰って恩返ししたい」と話した。

福山市 社会貢献へ精進

 福山市などが主催する「二十歳の集い」は対象者4515人のうち、リーデンローズ(同市松浜町)に2400人が集まった。

 枝広直幹市長らの祝辞を受け、出席者代表の岡山大2年卜部叶夢さん(20)と京都市の専門学校2年磯辺晃太郎さん(20)が「支えてくれた方々への感謝を忘れず、社会に貢献できるよう日々精進する」などと誓いの言葉を述べた。

 会場には福山市花・バラに関するブースを設置。出席者は市が定める「ばらの日」(5月21日)を啓発するポスターデザインの投票をしたり、来年5月の世界バラ会議福山大会をPRする小物を手に撮影したりしていた。能登半島地震の被災者を支援しようと、募金箱も置かれた。

 式典前には、プロ野球・広島東洋カープの上本崇司選手(福山市出身)のトークショーもあった。

能登半島地震の犠牲者に黙とうをささげる倉敷市の式典参加者
津山市の式典会場で久々の再会を喜び合う参加者
切りバラなどを手に写真に納まる福山市の式典出席者たち

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