死者40人急増、168人に 被害拡大、激甚災害指定へ

大規模な火災のあった石川県輪島市の「輪島朝市」付近で、両手を組み捜索活動を見守る女性=8日午後4時33分

 最大震度7を観測した能登半島地震の発生から1週間となった8日、石川県は、県内の死者が午後2時現在で前日から40人増の168人になったと発表した。連絡の取れない安否不明者も100人以上増えて323人となり、うち281人を輪島市の住民が占めた。同市の安否不明者は前日から195人急増。県関係者はこれまで滞っていた確認作業が進んだためとみており、今後も拡大が懸念される。岸田文雄首相は地域を限定しない「激甚災害(本激)」に指定する考えを示した。

 県は、火災で焼失した「輪島朝市」で、9日に100人態勢での捜索実施を決めた。

 道路の寸断などで輪島、珠洲両市を中心に少なくとも3300人以上が孤立状態にある。木原稔防衛相は、被災地の自衛隊員を約5900人から約6100人に増強したと明らかにした。

 県は8日、被災者をホテルなどに移す「2次避難」に関し、行き先が決まるまでの一時滞在場所での受け入れを一部延期することを決めた。降雪の影響で道路状況が悪化している輪島市と珠洲市、穴水町、能登町の被災者が対象。

倒壊した建物に雪が積もった石川県穴水町の被災地=8日午前9時15分
雪に覆われた石川県珠洲市宝立町鵜飼で活動する消防隊員=8日午前10時30分
雪に覆われた「輪島朝市」付近で、安否不明者の手掛かりを捜す消防隊員ら=8日午前8時17分、石川県輪島市
地震による土砂崩れで寸断されたままの国道249号=7日午後1時23分、石川県輪島市

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