"医療費控除"の対象となっている可能性も!?"確定申告"前に知っておきたい「セルフメディケーション税制」のポイントを解説

青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。1月7日(日)の放送では、厚生労働省 医政局 医薬産業振興・医療情報企画課の山口裕和(やまぐち・ひろかず)さんを迎えて、「知って活用しよう!セルフメディケーション税制」をテーマに話を伺いました。

(左から)青木源太、山口裕和さん、足立梨花

◆医療費控除の仕組み

確定申告の準備を始める時期になりました。医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定の基準を超えた場合、所得税の所得控除が受けられる仕組みです。自身が医療機関に支払った医療費だけでなく、配偶者や親族などと生計が一緒であれば、その医療費も含めて計算することができます。また、会社員の方は、確定申告すれば所得税の還付が受けられ、個人事業主の方は、確定申告に反映して節税することができます。

ちなみに、医療費控除の金額(最高の200万円の場合)は、「実際に支払った医療費の金額」から「保険金などで補填された金額」を引き、そこからさらに10万円を引いた額(※)になります。
※その年の総所得金額などが200万円未満の場合は、総所得金額等の5パーセントの金額になります。

◆セルフメディケーション税制とは?

医療費控除には「セルフメディケーション税制」という特例があります。2017年から施行され、2022年には改正もされている税制ですが、これを知らずに活用していない方が多いのが現状です。

「特定の医薬品購入額の所得控除制度」とも言われるセルフメディケーション税制について、山口さんは「(この税制は)本人と、自分と生計が同じ配偶者や親族が薬局で購入した医薬品の総額が年間1万2,000円以上であれば、医療費控除を申請できる仕組みです」と説明。

ただし、どんな人でも申請できるわけではなく、健康のために一定の取り組み(“メタボ健診”などと言われている特定健康診査や、インフルエンザなどの予防接種、勤務先でおこなう定期健康診断、健康保険組合や市町村がおこなう健康診査、人間ドック、市町村が実施しているがん健診など)をおこなっていることが求められます。

ちなみに、セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当てすること」と定義されており、国では、このセルフメディケーションを推進しています。

そもそも、セルフメディケーション税制は2017年~2021年の期限付き制度でしたが、国民のセルフメディケーションへの取り組みをより進める必要があることから、さらに2026年まで延長することになりました。またその際、もっと使い勝手が良くなるように内容の見直しがおこなわれました。

改正ポイントは大きく2つあり、1つ目は「対象となる医薬品の範囲の拡大」です。改正前、税制の対象となっていた医薬品は約2,500品目でしたが、改正後は約6,800品目に増えました。対象製品の多くには、パッケージなどに「セルフメディケーション税 控除対象」と記載されています。また、購入後にもらえる領収書やレシートにも、対象商品には星印などとともに対象商品であることが印字されていますので、確認してみてください。

2つ目の改正ポイントは「手続きの簡素化」です。「これまでセルフメディケーション税制を申請する際には、確定申告のときに定期健康診断の結果通知表など、第三者が作成した書類の提出が必要でしたが、改正後は、対面申請の場合もe-Tax(国税電子申告・納税システム)と同様に書類は手元保管とし、提示は不要になりました」と山口さん。

また、確定申告をする際のポイントについても言及し、「(確定申告の際は)セルフメディケーション税制の明細書を提出していただきます。そちらに、健康のためにおこなった取り組みなどを記載し、また、実際に対象の医薬品を購入した『支払先の名称』『医薬品の名称』『支払った金額』を記載して提出してください。レシートを提出する必要はありませんが、5年間分のレシートを手元に保管しておいてください」と説明します。

最後に、「セルフメディケーション税制は、国民一人ひとりの健康づくりを促進するために設けられた制度です。改正され、以前よりも対象となる医薬品が増えました。日頃から薬局で医薬品を購入する機会が多い方は積極的に活用してください」と呼びかけました。

足立は、今まで薬を購入してもレシートを細かく見ていなかったと言い、「“薬を購入したら、レシートを必ずチェックしたほうがいい”というところに驚きがありました」とコメント。

一方、青木は、セルフメディケーション税制の対象となる医薬品の範囲が約6,800品目に拡大していたことにとても驚いたと言い、「この制度を利用されていない方も、きっと(控除の対象となっている)可能性があると思うので、レシートを必ずチェックしたいと改めて思いました」と話していました。

(左から)青木源太、足立梨花

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1月7日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2024年1月15日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/

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