ローマ、難敵アタランタ相手に優勢もドロー止まり…退席モウリーニョは次節ミラン戦不在に【セリエA】

[写真:Getty Images]

セリエA第19節、ローマvsアタランタが7日にスタディオ・オリンピコで行われ、1-1のドローに終わった。

2023年最終戦でユベントスに惜敗した7位のローマだが、2024年初戦となったコッパ・イタリアのクレモネーゼ戦に2-1の逆転勝利を収めてバウンスバックに成功。年明け最初のリーグ戦では勝ち点1差で6位に位置する難敵アタランタとの上位対決に臨んだ。

モウリーニョ監督はこの一戦に向けて先発5人を変更。負傷明けのマンチーニと共にクリステンセンが3バックに入り、ディバラがルカクと共に2トップに入った。

立ち上がりにペッレグリーニ、カルネセッキと両チームの選手が接触プレーで痛んで落ち着かない入りとなったなか、相手の一瞬の隙を突いたアウェイチームがファーストチャンスをゴールに結びつける。

8分、ロングボールに抜け出したミランチュクが相手陣内右サイドでタメを作って左足インスウィングの正確なクロスを供給。中央のデ・ケテラエルとDFの頭上を越えたボールをファーに走り込んだコープマイネルスが打点の高いヘディングで合わせた。

ホームでいきなりビハインドを背負う厳しい入りとなったローマはすぐさま反撃を開始。ルカクとディバラの2トップによる見事な連携で良い形を作り出すと、21分にはボックス内に抜け出したルカクのシュート、直後のセットプレーではディバラの高速クロスが相手のオウンゴールを誘発しかけるが、いずれもGKカルネセッキのビッグセーブに阻まれる。

一方、先制後は守勢を耐えながらカウンターを起点に追加点を狙うアタランタ。22分にはショートカウンターからボックス内に抜け出したデ・ケテラエルにビッグチャンスも、ここは勇敢な飛び出しでシュートコースを消したGKルイ・パトリシオの好守に遭った。

前半半ばを過ぎて攻勢を強めるローマは、カルスドルプ、ザレフスキの両ウイングバックが常に高い位置で攻撃に絡むなど厚みのある攻めを仕掛けていく。ただ、再三の良い崩しはGKカルネセッキらの好守に阻まれる。

それでも、35分にはボックス内でカルスドルプが太ももにDFルッジェーリのスパイクを受けると、オンフィールド・レビューの結果、PKを獲得。これを名手のディバラがきっちり右隅へ蹴り込んで39分の同点ゴールとした。

前半のうちにスコアをタイに戻したホームチームは、ボーヴェやクリスタンテの前向きな潰しから鋭いカウンターに転じてチャンスを創出。これに対してアタランタは後ろ向きの守備を強いられてファウルの数が増えていった。前半アディショナルタイムにはボックス内へ侵入しかけたディバラがDFコラシナツに後ろから引き倒され、わや決定機阻止での退場という際どいプレーもあったが、最終的にノーファウルの判定。試合は1-1のイーブンでの折り返しとなった。

迎えた後半、ローマはジョレンテを下げて前日にユベントスからの加入が発表された18歳DFハイセンを早速デビューさせる。対するアタランタはデ・ケテラエルに代えてスカマッカを最前線に投入した。

後半も球際、切り替えの精度で勝るホームチームが優勢に試合を進めると、55分にはセットプレーからペッレグリーニの正確なクロスに反応したハイセンが競り合いからオウンゴールを誘発しかけるシーンを作り出す。

ローマペースが続くなか、65分に両ベンチが動く。押し切りたいモウリーニョ監督はカルスドルプとザレフスキの両ウイングバックをチェリク、スピナッツォーラに変更。流れを変えたいガスペリーニ監督はカードをもらっていたルッジェーリ、エデルソンを下げてザッパコスタ、パシャリッチとより攻撃的な選手を投入した。

徐々に試合が膠着し始めるなか、80分過ぎにはローマに続けて決定機。この試合で大半の縦パスを収める圧巻のパフォーマンスを見せていたルカクがスピナッツォーラ、ディバラのラストパスからボックス内で左右の足を振る。だが、微妙なパスのずれもあってシュートを枠に飛ばせない。

その後、アウェイで引き分けやむなしのアタランタに対してローマがリスクを冒して攻勢を仕掛けるが、最後のところで粘る相手の守備を崩し切れず。最終盤にはルカクに対するノーファウル判定に激高したモウリーニョ監督がレッドカードを受けて退席処分になるなどフラストレーションを募らせる形でタイムアップを迎えた。

難敵相手に優勢に試合を進めながらも最後の一押しが足りなかったローマは、トップ4争いのライバルが勝ち点を取りこぼしていたなかでその差を詰める勝ち点3を手にすることはできなかった。そして、次節は指揮官不在のなかでミランとのタフな一戦に臨むことになった。

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