生後数か月の孫に会うため沖縄訪問中にはねられる 死亡のネパール人夫妻 逮捕の81歳女、過失運転致傷の容疑を否認

 沖縄県浦添市の国道58号で仮設歩道を歩いていた2人が車にはねられ死亡した事故で、浦添署は7日、亡くなったのはネパール人の男性(62)と女性(56)夫妻と発表した。遺族の関係者によると、夫妻は沖縄で生まれた生後数カ月の孫に会うために沖縄を訪れていたという。事故現場には遺族の知人などが訪れ、花や飲み物を供え手を合わせていた。

 事故は6日午後5時20分ごろ発生。宜野湾市方面から那覇市方面に走行していた軽乗用車が、道路工事のために設置されていた看板に衝突した後、車道に設置された仮設歩道に進入して夫妻をはねた。

 浦添署は6日、軽乗用車を運転していた浦添市の無職の容疑者の女(81)を自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕した。「何かにぶつかったのは分かったが、人だったことは分からなかった」と容疑を否認している。署は今後、容疑を過失運転致死に切り替え捜査する方針。

 夫妻の息子の友人(42)は「散歩中、事故に遭ったと聞いた。孫の顔を見に来たのにかわいそう」と悼んだ。

 自転車でよく事故現場付近を通るという那覇市の50代男性はランの花を供え、手を合わせた。「外国人の方がこうした事故で亡くなられたのは気の毒だ」と語った。

(社会部・玉那覇長輝)

亡くなったネパール人夫妻を悼む花束や飲み物が手向けられた事故現場付近の道路=7日午後、浦添市宮城の国道58号

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