「実話であるということが、何より恐ろしい」“エドガルド・モルターラ誘拐事件”に迫った衝撃作『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』

『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』©︎IBC MOVIE / KAVAC FILM / AD VITAM PRODUCTION / MATCH FACTORY PRODUCTIONS (2023)

イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督・脚本による映画『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』(東京国際映画祭上映タイトル:KIDNAPPED/英題)が、4月26日(金)より公開される。このたび、日本版ティザービジュアルが解禁となった。

マルコ・ベロッキオ監督最新作

本作は、史実「エドガルド・モルターラ誘拐事件」に肉薄した衝撃作。2023年「東京国際映画祭」ガラ・セレクションでも上映され大きな反響を呼んだ。スティーヴン・スピルバーグが魅了され、映画化に向けて書籍の原作権を押さえていたことでも知られている。

ユダヤ人街で家族と共に暮らしていた7歳を迎える男児エドガルドが、「何者かに洗礼を受けた」という情報により教会に連れ去られてしまう—。

昨年の「カンヌ国際映画祭」コンペティション部門出品を皮切りに、世界中の映画祭をまわり、イタリア映画記者組合が選出する「ナストロ・ダルジェント賞」では7部門で見事受賞。「イタリア映画史上、屈指の冷酷さを誇るエンディング(Micromega)」「実話であるということが、何より恐ろしい。絶対権力と市井の民、その間に存在する暴力と冷笑の不均衡を描く(Wired Italy)」「ベロッキオ監督作の中で最も挑戦的(Esquire)」など、その知られざる実話の衝撃と、85歳にして熱量衰えぬベロッキオにより高濃度で活写されたドラマが高い評価を得ている。

国家や教会などの絶対権力とも言える組織による策略に巻き込まれることになる普通の人々の運命に、権力側がどれほど無関心であるかをも描いている本作。決して1800年代の外国の話として見なせないほどのリアリティを以て、今を生きる我々に迫って来る。

スピルバーグが映像化を断念、「エドガルド・モルターラ誘拐事件」に迫った衝撃作

スティーヴン・スピルバーグは、7歳のエドガルド役が見つからず映像化を断念したが、ベロッキオは新星エネア・サラを抜擢。日本版ティザービジュアルでこちらを見つめるエドガルドの視線と、彼を抱いている教会の絶対権力の象徴である教皇の薄い笑み。視線を下げるとぶつかる「なぜ、僕だったの?」というコピーに息を呑む衝撃が走る。

『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』は4月26日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開

© ディスカバリー・ジャパン株式会社